◇カリートの道(1993年 アメリカ 144分)
原題/Carlito's Way
監督/ブライアン・デ・パルマ 音楽/パトリック・ドイル
出演/アル・パチーノ ショーン・ペン ペネロープ・アン・ミラー ジョン・レグイザモ
◇エスカレーター
デ・パルマは、時を止める名人だ。
おおかたの作品で、時を止める。この作品でも例外じゃない。
とくに、ぼくの中でこの映画は『スカー・フェイス』『カリートの道』『アンタッチャブル』という順に、デ・パルマの階段状撮影の進化として捉えてるから、なおさらだ。どうもデ・パルマという人は、階を上下する人間を流れるような映像とスローモーションで撮るのが好きらしく、いまも挙げた三つの作品は、銃撃戦の一端になっている場面が、みんな、階段状になってる。
もっとも、この作品の場合はエスカレーターなんだけど、後にも先にも、エスカレーターでこれだけの銃撃戦をした映画ってなかったんじゃないだろか?ただ、デ・パルマの場合、アル・パチーノとの相性はどうだったんだろう?
『スカー・フェイス』でも感じたことなんだけど、
なんだかカメラが不安定で、落ち着きがない。それがパチーノの内面を表現しているんだっていわれれば、
「あ~そういうことか~」
とかいってはみるけど、ほんとにそうなんだろうか?リアリズムを追い求めると手持ちになっちゃうってことなのかな?そのあたりが今ひとつわからない。ただまあ、デ・パルマはいつものことながら、ほんと、女の人を綺麗に撮るね。