◎ロボコップ(RoboCop 2014年 アメリカ)
どうしても前作の印象が濃いものだから、
いまさらなんでロボコップなんだろっていう色眼鏡で観出したら、
これが意外な拾い物だった。
サイボーグと化したためにヒロインあるいは家族との接点が見いだせなくなり、
その葛藤に苦しむという構図は踏襲してるんだけど、
ロボットがすでに市民権を得て、
アジアをはじめとする各方面の治安維持のための戦士とはされているものの、
アメリカにおいては法規制されて警察官としては採用できないっていう世界観がいい。
こうなってくると、ロボット製造企業が正義をふりかざしている死の商人となり、
この矛盾した存在が敵になっていくというのは新たな展開だ。
そういう意味においては、前作よりもより暗黒面が強調されてくるわけで、
ひと筋縄ではいかない筋立てになってる。
とはいえ、やっぱりハリウッドなんで、家族愛に持ち込むという王道は踏まえてる。
けどまあ、前作へのオマージュも忘れてなくて、
耳に残っている主題曲もところどころに挟み込まれてる分、溜飲も下がる。
脇役がしっかり配置されてる分、好い感じだし、
ことにゲイリー・オールドマンがいいね。
ま、ぼくとしては『エンジェル・ウォーズ』のアビー・コーニッシュが、
いつのまにか成長して母親役を演じるまでになってることが、
あらまって感じではあったけど。