◇十七人の忍者(1967年 日本)
天尾完次さんは、この年は当たり年だ。
なんつっても、
『十三人の刺客』と『十七人の忍者』の企画をしてるんだから、
たいしたもんだ。
で、こちらの作品は天尾さんの単独企画。
たぶん、あまり期待もされずに、
予算も少なめな習作って感じで撮られたんだろう。
けど、
そうだからこそ、余計に好きなことができたような気がしないでもない。
女忍者に対する暴行まがい拷問まがいな感じは、
なんつうか、すこし後の女番長やセックスシリーズを匂わせもするけど、
近衛十四郎や大友柳太郎などの御大や、
里美幸太郎や東千代之助などの若手に、
おもいきりのびのび演じさせてる観もあったりして、
充分、愉しめる。
まあ、話の内容は、
徳川忠長が外様大名から集めた謀反連判状を、
老中阿部豊後守によって十七人の忍者が奪取に走り、
これを駿府に雇われた浪人どもが迎撃するんだけどってなものなんだけど、
浪人と忍者の親玉同士の過去の因縁と、
忍者の跡継ぎとそれを慕う女忍者がいたりして、
スピーディな集団戦による戦いが展開されるのは斬新だ。
『十三人の刺客』もそうだし、実は『十一人の侍』も天尾さんの企画だ。
してみると、
東映の集団戦を確立させたのは、
天尾完次じゃないかって気がするんだけど、
実際のところはどうなんだろね?