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愛の渦

2014年04月07日 02時07分47秒 | 邦画2014年

 ▽愛の渦(2014年 日本)

 リアリズムってのはなんだろうと観ていておもった。

 キューブリックの『アイズワイドシャット』は、

 おなじように乱交パーティを扱ってるんだけど、

 そこには、

 リアリズムを超えたキューブリックの世界観が見事に描かれてた。

 映画ってのは、たぶん、監督の世界観を如何にして映像化するかっていう代物で、

 物語世界においてリアリティがあれば、それだけで観客は納得する。

 もちろん、そこには演出する監督のちからが大きく介在するんだけど、

 キューブリックが乱交パーティを経験していたかどうかはわからないものの、

 映画で描かれていた仮面乱交パーティは、それなりの説得力があった。

 そうでなければ、

 実際の乱交パーティを淡々と撮影していればいいわけで、

 発情しているのかどうかわからないようなテンションの低い性欲ほど、

 乱交パーティに不向きなものはない。

 いいかえれば、理屈を吐いていられる乱交パーティは興醒めの対象でしかない。

 キューブリックはそういうところをどうおもっていたのかわからないけど、

 余計な台詞のやりとりがない分、

 人間が根源的にもっている「やりたい心」と「好奇心」とがないまぜになってて、

 トム・クルーズの行動原理が手に取るようによくわかった。

 つまり『アイズワイドシャット』において、

 そこに描かれている乱交パーティが、

 実際と懸け離れているかどうか、

 あるいはこういう世界が真実あるのだといいきれるかどうか、

 なんてことは、もはや、関係ないところにまで到達してるんだよね。

 おそらく、リアリズムっていうのは、そういうものなんだろう。

 で、この映画なんだけど、

 書くの疲れたから、まあ、こんなところで。

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