◎(500)日のサマー((500)Days of Summer 2009年 アメリカ)
「ペニス!」
たとえば、女の子とつきあってて、子供もいる静かな公園で、
ふたりで交互に「ペニス!」と叫んで、徐々に声を大きくしていって、
それが叫べなくなった方が負け、みたいなゲームをしようってなったとき、
できる?と聞かれたら、できるって断言できる自信はぼくにはない。
ということは、つまり、ぼくも所詮はジョゼフ・ゴードン=レヴィットとおなじなわけだ。
気が強いわけでもなく、女の子とつきあうのは上手でもなく、
それでいて、好きな女の子は独占したいっていう、ちっぽけな感じが。
ま、そんなことをおもっちゃうくらい、この作品は上手に観客を誘い込む。
500日という出会ってから別れるまでの時間は、
長いのか短いのかよくわからないんだけど、
結局、ゾーイ・デシャネルの心は最後まで見えてこない。
いったいどんな女の子だったんだろうっていう印象だ。
けど、女の子ってのは、どこかしら、みんな、ゾーイなんだよね。
結婚する相手との出会いについては「運命的な」とかいうんだけど、
はたから観てれば、ジョゼフとの出会いだって充分運命的だ。
つまり、女の子にとっての「運命」ってのは自分に都合のいい「運命」なんだ。
だから、ビッチ!とか冒頭でいわれちゃったりするんだろね。
ただ、途中、
(サマーと別れてから出会う女の子がオータムとかってないだろな~)
っていう懸念が湧いてきてた。
(まさか、そんなくだらないオチとかつけないよな~)
で、ラストになったんだが、
ぼくはオータム役のミンカ・ケリーの方が贔屓だ。
ま、そんなことはともかく、
編集の勝利というのか、脚本が練り込まれているっていうのか、
ともかく、500日の内の特定の日を、
アトランダムに出し、
まるでパッチワークのように作り上げてるのは見事だった。