◇K-19(K-19 The Widowmaker 2002年 アメリカ)
原子炉の冷却水漏れを食い止めるために、
果敢に立ち向かう男たちという構図は、
この先、いろんな映画で描かれていくんだろうけど、
それが原子力潜水艦の事故となると、
密閉性が高い分、サスペンス度は増す。
キャサリン・ビグローはそういうところがよくわかっている。
演出力は大変なもので、
緊迫感を生み出す方式をきっちりと把握してる。
ちなみに、
ハリソン・フォードとリーアム・ニーソンには、
共にアイリッシュの血が流れている。
このふたりがロシア人を演じるのは、
なんとなく印象としてしっくりくることはくるんだけど、
英語のわからないぼくは、
リーアム・ニーソンのアイリッシュ訛りもわからず、
さらにロシア語めいた英語で話してる感覚もよくわからない。
こういうところ、映画のすべてを愉しめないのが辛いね。
ただ、まあ、
ハリソン・フォードは製作総指揮を兼ねているんだけど、
自分が最後には英雄になるとはいえ、
全編をとおして敵役のような扱いになっちゃう脚本を、
よく承認したな~っていう気もする。
実話が基になってるし、あまりいじれなかったんだろうけど、
それでも、
こういうふうに自分の立場よりも作品を重視する姿勢は、
とってもいい。