☆ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(Nebraska 2013年 アメリカ)
デジタルで撮ってるわけだから、
白黒といっても昔のような白黒専用のフィルムというわけでもないし、
もっといえば、白黒の撮影と照明のあて方も違っているんだろうから、
なんでわざわざ色を抜いたのかっていう素朴な疑問もあるんだけど、
まあ、監督のアレクサンダー・ペインが、
「象徴的、典型的な外観を生みだすためにそうしたんだ」
といってるんなら、それでいいわね。
淡々としたロードムービーで、
これといった目新しさや斬新さがあるわけではなくて、
ものすごく優しい息子がその姿勢を崩すことなく父親に尽くしてあげる姿は、
いやまじ、とても真似のできない理想的なもののようにおもえたし、
それだけでも微笑ましい映画だった。
まあ、人間ってやつは、お金のありそうなところに群がるもので、
そのどうしようもない汚さや虚しさが漂ってて、
そういう心貧しい連中に対して、
ほんのちょっとした見栄を張るラストは、溜飲は下がった。
物語は多少のカリカチュアはあるにせよ、
それなりのリアリズムで統一されてて、それがまたしみじみしてて好い。
ぼくは、好きだな。