☆ タイピスト!(2012年 フランス 111分)
原題 Populaire
staff 監督/レジス・ロワンサル 撮影/ギヨーム・シフマン
脚本/レジス・ロワンサル、ダニエル・プレスリー、ロマン・コンパン
美術/シルヴィー・オリヴェ 音楽/ロブ、エマニュエル・ドーランド
cast デボラ・フランソワ ロマン・デュリス ベレニス・ベジョ ミュウ・ミュウ
☆今でもタイプの大会ってあるの?
日本語のタイプライターすなわち和文タイプの大会とかあったら凄そう、
とかおもいつつ観てたんだけど、
1958~59年のフランスに舞台を持ってきたってのがいいよね。
ラストの台詞「アメリカ人はビジネスを、フランス人は恋を」てのが効いてる。
ただまあ、最初から最後までシンデレラ物語に徹してるわけで、
そうじゃなかったら、
保険で設けた成金の御曹司が家を継いだものの性格の優しさが仇になって、
つねに自分は2番でいいとおもい、好きな人間の志や夢を優先してしまうロマン・デュリスに、
これまた田舎育ちで天然ボケながらオードリー・ヘップバーンのファンで、
くわえてなかなか負けん気のつよいデボラ・フランソワが恋をして、
まあ、ロマン・デュリスは親友の嫁さんが昔の恋人だったり、
デボラ・フランソワの方はタイプライター屋の御曹司に言い寄られたり、
パリの初日にはヘップバーンのコスプレまがいな衣装を着たりと、
きわめてありがちな展開を経た後、
栄冠と結婚を勝ち取っていくっていうフレンチ・ドリームにはならないものね。
ただ、
いまどき、これだけものすごい勢いでタイプを打つ女の人たちがいるってのも凄い。
もっとも、相当な練習をしてたそうだし、
実際、デボラ・フランソワは父親の古いタイプで練習してから撮影に臨んだみたいだし、
カメラワークでかなり上手にあしらってるしで、
なんだか凄まじい音の饗宴にもなるタイピスト大会は、
それなりに圧巻の仕上がりになってるわ。