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ビフォア・ミッドナイト

2014年10月31日 23時51分58秒 | 洋画2013年

 ◎ビフォア・ミッドナイト(2013年 アメリカ 109分)

 原題 Before Midnight

 staff 監督/リチャード・リンクレイター

    脚本/リチャード・リンクレイター、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー

    原案・キャラクター創造/リチャード・リンクレイター、キム・クリザン

    製作/リチャード・リンクレイター、クリストス・V・コンスタンタコプーロス、

       サラ・ウッドハッチ

    撮影/クリストス・ブードリス 音楽/グレアム・レイノルズ

 cast イーサン・ホーク ジュリー・デルピー アティーナ・レイチェル・トサンガリ

 

 ◎次回は2022年?

 子供がいるのに離婚して別な女性と再婚したとき、

 かならずついて回る悩みが、

 最初の奥さんとの間に生まれた子供との接し方だ。

 まあ、そのいちばん大きな問題が最後まで尾をひく作りなんだけど、

 そんなことはよくある話なので、映画でもいろんな会話の引き金にはなるものの、

 それはあくまでもきっかけでしかない。

 このシリーズに共通しているのは「旅」だ。

 最初がウィーン、次がパリ、そしてギリシャのメッシニア。

 どこもヨーロッパでは最高の観光地で、最後はちょっと渋いけど、でも綺麗だ。

 人生の中で旅をしている時間というのは、一般的には短い。

 学生だった時代、作家になってからの時代、そして今。

 三つの時代で、それぞれ印象深い岐路になるような時間を過ごすことになる旅。

 そういうつくりのシリーズになってる。

 それにしても、ふたりはよくしゃべってる。

 ウィーンでもパリでもふたりはひたすらしゃべってた。

 この他愛もない、そこらの男女がしてるような会話が、この映画の特徴だ。

 ほんのちょっとしたことで、それまでのロマンチックな雰囲気がこじれ、こわれる。

 でも、それも相手のことが好きだっていう前提の破綻だから、なんとなく修復される。

 ほんとに、誰もがどこかで経験しているようなしていないような、

 そんな現実味にあふれているようにおもわせる脚本に、おもわずうなる。

 あ、それと、

 第1作から9年立って第2作が撮られ、さらに9年して第3作が撮られたなんて、

 まったくうらやましいくらいに仲の好い監督とキャストだっておもえる。

 こうなったら、後2作くらい作ってほしいものだけど、

 そのためには後18年っていう年月がいる。

 でも、

 そういう映画作りってとっても素敵なことなんじゃないかっておもうんだよね。

 だって、誰にでもできることじゃないんだから。

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