◇マリア(2006年 アメリカ 100分)
原題 The Nativity Story
staff 監督/キャサリン・ハードウィック 脚本/マイク・リッチ
製作総指揮/キャサリン・ハードウィック、マイク・リッチ、ティム・ヴァン・レリム
撮影/エリオット・デイヴィス 美術/ステファノ・マリア・オルトラーニ
衣装デザイナー/マウリツィオ・ミレノッティ 音楽/マイケル・ダナ
cast ケイシャ・キャッスル・ヒューズ オスカー・アイザック ショーレ・アグダシュルー
◇処女懐胎
まったく無知蒙昧とはぼくのことで、
この映画を観るまで、洗礼者ヨハネと使徒ヨハネの区別もついていなかった。
洗礼者ヨハネは、キリストに洗礼を授け、その到来を預言したんだね。
しかも、ヨハネもまた天使が誕生を予告して、懐胎を告げるだけじゃなく、
ヨハネの母親はエリザベトっていって、マリアの従妹らしいし。
マリアと血のつながった一族は、ある特別な一族だったんだろか?
ぼくは無宗教な人間で、キリスト教にもなんの興味もないんだけど、
ヨセフがマリアよりもちょっぴり年上な若者として描かれるのが、
なんとなくリアルな感じがするし、
マリアの懐胎についてあれこれと想像をめぐらすところとか、人間臭くていい。
そもそも、結婚をする寸前の相手が妊娠したなんてことになったら、
普通は嫉妬の嵐が吹いて結婚なんてするはずがないんだけど、
ここではそうじゃない。
ヨセフのものすごい理解と信じられないような愛情が描かれる。
そうしたヨセフの葛藤がこの映画の主題なんじゃないかっておもえるほどだ。
それと、
ケイシャ・キャッスル・ヒューズっていう女優さんは、
綺麗ではあるんだけど、すげえ美人ってわけじゃない。
でも素朴で純粋な感じは伝わってきたし、
バチカンで試写会までされたっていうんだから、
聖母マリアには向いてたんだろう。
ただ、彼女の場合、
なんとなくこういう神がかり的な役がよく回ってきてるような気がするんだけど、
そういう雰囲気を醸し出してるんだろね、常に変わらず。