◇映画 謎解きはディナーのあとで(2013年 日本 121分)
staff 原作/東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』
監督/土方政人 脚本/黒岩勉 撮影/栗栖直樹
美術/きくちまさと 特殊効果/朝倉怜 音楽/菅野祐悟
主題歌/嵐『迷宮ラブソング』作詞:伊織、作曲:iiiSAK・Dyce Taylor、編曲:Trevor Ingram
cast 宮沢りえ 中村雅俊 桜庭ななみ 要潤 黒谷友香 鹿賀丈史 伊東四朗 竹中直人 生瀬勝久
◇豪華客船スーパースター・ヴァーゴ
ぼくが豪華客船に初めて乗ったのは、この国がバブルに翻弄されてる頃で、
もう世の中が浮かれに浮かれていた時代だった。
でも、バブルが破裂しても尚、豪華客船はそのまま世界の海を回り続けた。
劇中でプリンセスレイコ号として登場するスーパースター・ヴァーゴ号もそのひとつだろう。
ここにテレビシリーズでおなじみの櫻井翔、北川景子、椎名桔平が登場するんだけど、
まあなんというか、上手にまとめられた脚本だな~っていう印象だ。
もうすこしおちゃらけた話かとおもってたんだけど、意外とそんなことはない。
アジアの富豪が新興財閥に取って代わられ、その成金が殺されるところから始まり、
この殺人が実は旧財閥の執事が仕掛けたものだったという筋立ては、
櫻井翔の演じるのが執事であるため、ちょっとばかり運命的なものにもなってる。
もちろん、そんなことはおくびにも出していなくて、
いろんな伏線をちりばめた、
ちょうどパズルを解くような気分にさせる推理劇なんじゃないかっておもえた。
まあ、おもいきり張り込んだゲスト出演者たちも並んでることだし、
誰が犯人なのかってなことは考えずに、
ひとりひとりの役者について、
「あ、ここが見せ場なのね」
とか、
「まだまだ引っ張ってるし、これからラストにかけてが見せ所なんだろね」
みたいな感じで観てると、いや、ほんとによく配慮された脚本だな~っておもえた。
なにより、映画だからって肩にちからをいれず、
もちろん、スーパースター・ヴァーゴの貸切ってのはおもいきり豪華ではあるけど、
テレビのファンを裏切っていないのが、いちばん好感をもてたところだわ。