◇ダイバージェント(2014年 アメリカ 139分)
原題 Divergent
監督 ニール・バーガー
◇アメリカは未来もアメリカ
というのも、この作品では100年後のぼろぼろになったアメリカには5つの進路というか共同体というか生き方に分けられる。ほんとはそこから堕落した者がそこらに群れていたりするからそうした落ちこぼれもいれると6つになり、さらにはこの主人公たちのような異端者つまりダイバージェントが存在する。やっぱり主人公は誰とも似てたらダメなんだよね。異端でなくちゃいけないし、孤独がつきまとい、でも恋人だけはちゃんといる。そういうことからいえば、ダイバージェントは正統な主人公像だ。
けど、そんなことはいいんで、観てておもったのは、無欲アブネゲーション、平和アミティ、高潔キャンダー、博学エリュアダイト、勇敢ドーントレスっていう分け方で、やっぱりアメリカ人ってのは老いも若きもいちばんは無欲なんだよね。群れてる連中と異端者が「自由」を背負っているからその親となるのはやっぱり理想でなくちゃいけないんだろね。でも、無欲はあくまでも理想であって、頭は悪くて利用されちゃったりもするけどやっぱり絵的にかっこいいのは勇敢だろってことで、舞台は『ハンガー・ゲーム』みたいな展開になって、そこで訓練に明け暮れる若者たちの姿を追うことになる。未来の若者はどうしてこういうふうに徴兵制の軍事訓練施設みたいなところに放り込まれるんだろう?いや、ぼくはそんなことが書きたいんじゃない。
これが日本人だったら「平和とかっていうのかな~」とおもって観てた。日本人はほんと平和が好きだ。イギリス人が高潔が好きで、ドイツ人が博学が好きなように見えるのと同じで、日本人は平和大好き民族なんだよね。おもいっきり皮肉を込めて。