◎メイズ・ランナー(2014年 アメリカ 113分)
原題 The Maze Runner
監督 ウェス・ボール
◎史上最大の迷路からの脱走
パトリシア・クラークソンだけが往年の俳優で、あとは監督もふくめてみんな処女作に近いような若さの塊の作品なんだけど、これがものすごくおもしろかった。観ててずっとおもってたのは、ほんと、物語はたったひとつのアイディアさえあればどこまでもおもしろくなるんだな~ってことだ。
ここでは「目が覚めたら、とてつもなく巨大な迷路に放り込まれていた」というアイディアだ。
そうなったら、もう次々に浮かんできたんだろうね。自分については名前はやがておもいだすものの、その素性についてはまるでおもいださない。しかし、主人公とその相手役とおぼしき女の子だけはちょっとずつおもいだして、別の人間もたったひとりはおもいだすものの、それが全体の鍵になるから最後まで明瞭にしない。あとは『蠅の王』やら『CUBE』やらまあいろいろと同一年齢層による迷路劇みたいなものを踏襲しつつ、恋愛なんかまるきりなく、もちろん、エロスはかけらもなく、ひたすら少年たちのサバイバル物に徹し、ダンジョンのゲームをおもわせるような雰囲気でクリーチャーとも戦うんだ、とすれば大丈夫。さらに迷路の外側は滅亡間近の地球をおもわせ、自分たちが人類の未来の鍵を握ってるみたいな印象を与え、さらに次の宣伝までしちゃえるなんて、なんてまあ凄い映画なんだろうね。
いや~ひさびさに興奮したぞ。