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ダイバージェントNEO

2015年10月04日 20時31分47秒 | 洋画2015年

 ◇ダイバージェントNEO(2015年 アメリカ 119分)

 原題 The Divergent Series: Insurgent

 監督 ロベルト・シュヴェンケ

 

 ◇異端者の凄さが伝わってこない

 さて、アメリカ人の理想とするのは無欲だということは前作のときに書いたんだけど、やっぱり平和っていうのはヒッピー的な暮らしをする人々になっちゃうんだね。ここも良くも悪くもアメリカだね。なんだかベトナム戦争の時代をひきずってる感じがしちゃうんだけど、そうじゃないのかな?戦争のためか環境破壊のためかわからないけど、ともかくシカゴは大崩壊しちゃってて、壁の向こうになにがあるのか最後には使者の映像が出てくるものの未だ見当もつかない映画の中の現時点を見るに、なんだか戦争反対の人達が平和主義者として群れてる感じがしてならない。で、やっぱり博学に対抗できるのは高潔しかないっていう、英独の対峙のような図式になるのはよくわかる。

 ただ、異端者が異端者たりえるようなちからがあんまり見えてこない。5種類すべての可能性を内蔵していることはわかったし、両親の遺した箱を開けられる鍵を持っているというのも、なんだかアーサー王みたいな感じがしてさすが100パーセント異端者ということになるんだろうけど、特別ものすごいちからを持ってるように見えないのが辛いね。

 だって、結局のところ、異端者というのは孤独な存在で、孤独は排斥されながらも英雄として祀り上げられ、やがて叛逆し、その集団の神輿になっていく運命にあるわけで、神輿となるためには単身あるいは股肱たちと冒険の旅に出て、ひとまわり大きくならないといけない。そういうのが王道だ。なのに、なんていうか、シェイリーン・ウッドリーがそこらにいるありきたりのおねーちゃんにしか見えないんだよな~。もうちょっと神秘的な瞳であるとか、そういう雰囲気が要るんだよな、こういう設定の場合は。

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