☆ジュリエットからの手紙(2010年 アメリカ 105分)
原題 Letters to Juliet
監督 ゲイリー・ウィニック
☆原題は、ジュリエットへの手紙
どっちがいいっていうよりも、オリジナルを尊重するなら明らかに「ジュリエットへの手紙」だ。
だって、ここでいうジュリエットは誰かってことになるんだけど、まず、アマンダ・セイフライドが壁の中から見つけたのは50年も前にヴァネッサ・レッドグレイヴの書いた「ジュリエットからの手紙」だ。でも、これにはこの映画の主人公であるアマンダ・セイフライドは単に発見者であって関係してはいない。あくまでも当時のジュリエットであるヴァネッサ・レッドグレイヴの個人的な手紙だ。
アマンダ・セイフライドが関係するのは、これから先で、ジュリエットの秘書たちに頼んで「ジュリエットへの手紙」を書いてもらうことだ。で、その手紙は届き、当時のジュリエットは素敵な老婆になってやってくる。で、ヴァネッサ・レッドグレイヴは、アマンダ・セイフライドの助けを借りてフランコ・ネロを探し求めることになるんだけれども、こうして見てくると、この映画は、ジュリエットから届いた手紙に端を発し、ジュリエットへ送られた手紙によって展開していくことがわかる。
しかし、アマンダ・セイフライドの関係している、というか、彼女がいなければ綴られなかったのはジュリエットへの手紙なのだ。
つまり、作り手側の意思を尊重するのであれば「ジュリエットへの手紙」が正しいってことになるんだろうね。