☆さざなみ(2015年 イギリス 95分)
原題 45 Years
監督・脚本 アンドリュー・ヘイ
出演 シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ
☆45周年
老いても尚、死んでも尚、人は嫉妬する。そのおぞましさを静かに表現してる。うまいね。
実際、自分だったらどうなんだろう?
50年前、貧乏な時代を共に過ごしていた女性が旅行先の山でクレパスに滑落して行方不明となり、たぶん死んだにちがいないと自分も周りも認め、その後結婚して45年間暮らしていたところへ、警察から「温暖化のせいで山の雪が溶け、当時の姿のまま発見されたので、遺体確認に来てほしい」っていう要請が来たら、どうするだろう?
いや、遺体だけじゃなくて、その遺体の左手の薬指にはおもちゃのような指輪が嵌められていたとかってことになったら、たぶん、自分の過ごしてきた人生と氷の中に閉ざされつづけてきた彼女の時間を考えちゃうだろう。好きとか愛しているとかって次元じゃなくてさ。でも、凄いね、女の人は。嫉妬するんだな、対象がどんなものであっても。
ところで、シャーロット・ランプリングは贔屓の女性だ。昔からとてつもなくエロティックで、なんでこんなに知的で上品な女性がエロいんだろうっておもうくらい不思議な存在だったんだけど、まあ『愛の嵐』とか一連のやや官能色を漂わせた作品の影響が強いってこともあるんだろうけどそれはともかく、この頃になって酸いも甘いも嚙み分けた初老の女っていう感じの役どころで出てたかとおもえば、今回はまじに老女にさしかかった役回りなんだな~と最初はおもった。ところが、さすがはシャーロットだ。老いても尚、女の性を演じてくれる。凄いな。この人がこれまでなんの賞も授けられてなかったことがなにより不思議だ。