◇太秦ライムライト(2014年 日本 104分)
監督 落合賢
◇5万回斬られた男
ふとおもったんだけど、ハリウッドとかいくと5万回撃たれた男とかいるのかな?
太秦のことはよくわからないんだけど、観てるかぎりではやっぱり制作センターに翌日の香盤が張られ、それで大部屋の人達は予定を確認する仕組みになってるみたいなんだけど、撮影所が往年のように慌ただしく機能してればいいんだけどね。ただ、この福本清三さんのように斬られ役といういってみれば特殊技能を習得した役者さんはまだいいとしても、現代劇の大部屋さんともなるとかなりきついんだろうなあ。
とはいえどこの撮影所ももう大部屋さんはいないし、大泉の演技課に出入りしている人達はどうしているんだろう?
まあそんなことはさておき、観てておもったのはせっかく福本清三主演なんだからもっとドキュメントっぽくすればよかったんじゃないかったことだ。なんか陳腐な筋立てで、これじゃ往年の劇映画となんら変わらないじゃんって気がした。
時代劇はあいかわらず時代劇だし、たしかに東映剣会の人達の殺陣はそれはそれでおいそれと真似のできるものじゃないんだけど、でもね、これから先の時代劇を考えたり、主役をなかなか張らせてもらえない役者さんたちのことを考えたりすると、もうすこしなんとかならないのかなって気にもなる。といっても、すごい映画ができたり、満足のゆく作品ができたりすることとは、ちがうんだけどね。
でも、なんにしても福本清三さん、よくここまで頑張ってきたよね。拍手だ。