この事が意味すること

10月22日朝日新聞朝刊の経済情報で、矛盾した2つの事が掲載されていた。 

   一つは、 1面と2面使った世界同時不況に関する、レイキャビク=大野博人とロンドン=緒形聡彦の取材した大型の記事。  その末尾を引用すると、
  「欧米では最近、世界的な起業家として知られる英ヴァージンのブランソン会長のこんな言葉が波紋を呼んだ。『残念ながら株式市場は数年は回復しないだろうと思う。米国も欧州も、日本のような状態に陥る可能性がある。』」 

   もう一つは。  10面の経済のコラム欄(経済気象台)で
 
   「日本の90年代の経験は決して小さくはない。今各国の銀行への公的資金の注入や株式買取は、幅と厚みが増し、かつスピードが上がっている。みんな日本の失敗から学んだのだ。今回の危機に必要なのは金融工学の知識ではない。大切なのは冷静さだ。処方箋はある。」

     この二つの記事は、日本のやってきた公的資金投入と現在の日本の実態に対して全く正反対の評価をしている。 

    自分は前者の評価と同じだが、ここにはそれ以上の問題がある。 

     同じ新聞の同じ日の記事で、今世界や日本がやろうとしていることに対し、 正反対の記事を載せていることである。 

   明らかに新聞社自身が迷い混乱し評価できないでいることを意味していないか?
   これまで目にしたメディアの殆どは、(気象台)のように公的資金の注入を催促するものだった。 朝日新聞の社説も同様に催促してきた。 
  この段階でメディアが迷っている事は、この問題に対処している政治家や学者も 迷いながら、一方的に事を進めている事を意味してはいないか? 
    今後このほころびは、どう報道されるかは別にして大きくなるだろうと思う。  結局、日本のように形式的に景気回復はするだろうが。    実態は借金を抱え、人心が乱れるのではないか。 
   これまでこの日記で述べてきた『新しい芽』とは方向の違う現在の流れだが、何時までも続くものではない。 

   なんでも反対と言われる共産党でさえ、公的資金の投入に異を唱えたとは聞いた事がない。(根っこの視座は主流と変わらない。)  
    だから、本当はこれまでのレールを反省なく走り続けたり、総選挙だ、政界再編だと、騒いでいる場合ではない。
  
   リーダーも我々も一人ひとりが、今日に至った経過と、因果を真剣にじっくり考える時ではないか。  

   こういう時こそ、ブッシュであれサルコジであれ総理大臣であれ視座を広げ、じっくり考えてから行動して欲しい。 
     
  
   (囲碁では視座=大局観を広げないと頑張れば頑張るほど碁は崩れる。視座が狭いと頑張っても本当に見えないものだ。 世界の主流の動きがそれとダブって見えて仕方ない。)  

   死に体でバタバタ走り回ったり、キャンキャン吼えたり、放り出し(投了)したり、飲み歩いていても始まらない。  
                
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