沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

室瀬和美展

2008-11-16 | 琉球・首里城
文化の日、池袋で開催されていた室瀬和美展に行ってきました。
室瀬和美氏は、日本を代表する漆芸家です。
 作品例
 室瀬和美プロフィール
プロフィールにもありますが、今秋、重要無形文化財保持者(蒔絵)、いわゆる人間国宝として認定されました。

上の写真は、個展の入り口を外側から写したものです。
漆の作品の横に、「首里城漆塗装メンバー」から贈られた生花が飾られていました。

首里城は復元後15年を経過し、古文書に基づいた材料などにより、漆塗装の塗り替えをしていますが、室瀬和美氏は、その中心的なメンバーとして活躍されているそうです。
琉球では、朝貢品など素晴らしい漆文化があったのですが、沖縄戦で殆どなくなってしまいました。
首里城の漆の塗装を、地元の沖縄の漆職人と一緒に作業されているそうで、こうした取り組みを通じて、沖縄での漆職人の育成や漆文化の復興を期待します。

蒔絵(まきえ)というのは、器に漆で模様を描き、漆が乾かないうちに金、銀の粉を蒔き、定着させる日本独自の技法です。
上記の作品例をみると、美しい精緻な技法に驚かされます。

父親の室瀬春二氏は、石川県生まれで輪島塗の蒔絵を学んだ漆芸作家でした。
和美氏は、幼少の頃から漆に親しみ、芸大で漆芸を専攻し、卒業制作は既に文化庁が買い上げています。また、金比羅宮の天井画、琉球楽器の復元など歴史文化財の修復事業にも従事されています。