ハリーポッターシリーズ第一話「賢者の石」のDVD、面白かったです。
原作と訳本とDVDで3回もポッターを楽しめました。
映画(DVD)は表現力豊かにポイントを凝縮してありますが、長編の原作と比べてやや異なるところもあります。
少し紹介します。
■ハグリットが空飛ぶオートバイに乗りハリーを抱いて登場する場面
映画は無言ですが、原作ではダンブルドア校長にオートバイをどこで手に入れたのかと聞かれ、「Young Sirius Black lent it me.シリウス・ブラックからオートバイを借りてきた。」と説明しています。第三話の伏線です。
■動物園の蛇の展示室の消えたガラス窓
ダドリーに怒ったハリーが、無意識のうちに魔法でガラス窓を消したため蛇が外へ逃げ出す。しかし映画では加えて突然ガラス窓が消えたためダドリーが蛇の池に転落しさらにガラス窓が元通りになり展示室に閉じ込められる。このシーンは第二話の伏線です。
■ハグリットの体格
原作では、身長は普通の人の2倍くらいで、横幅も5倍以上の巨人と紹介されている。(He was almost twice as tall as a normal man and at least five times as wide.)
映画では、かなり身長の高い人が配役となり背が高く映るようカメラアングルも工夫しているが、2倍というのはちょっと難しいようです。
■ハグリットの言葉
ハグリットには独特のなまりがあって、正確な意味は分かりにくい。
yeh=you, yer=your, fer=for, meself=myself, ter=there かな。
o'=of, lookin'=looking, ' cause=because, an'=and, ' em=themなど省略が多い。
訳本では、ハグリッドの言葉遣いに表されています。
映画の字幕では、そういう意味だろうと解釈した表現には点が振ってあります。
吹き替えは聞いていませんが、点が振れないので言葉使いを変えているのかな。
■ダドリーの尻尾
バーノンがダンブルドア校長を侮辱したことに腹を立てたハグリッドが、ピンクの傘で、バーノンではなく息子のダドリーに魔法をかけ豚の尾を生やす。しかし映画ではハグリッドが持参したハリーのバースデイケーキをダドリーが盗み食う場面を加えて、ダドリーに対する仕打ちの合理性を持たせている。
■ニコラス・フラメル
賢者の石(不老不死の石)の手がかりとなるニコラス・フラメルを図書館等で探す場面が出てくるが、実はホグワーツ校に向かう列車の中で、蛙チョコのダンブル・ドアのカードの説明文に書かれていた。映画では省略されている。
■ピービス(Peeves)
いたずら騒ぎを起こすのが大好きなピービスが原作ではよく出てくるが、映画では出てこない。ピービスは、ゴーストではなく、ポルターガイストと紹介されているが、どんな姿なんだろう。Peeves.A poltergeist.
■マルフォイとの出会い
ダイアゴン横丁及び列車の中でハリーと出会っているが、映画ではホグワーツ校でのクラス分け前に凝縮されている。
■立ち入り禁止の廊下
入学式でダンブルドア校長が4階の廊下(the third-floor corridorは立ち入り禁止と話すが、映画の日本語字幕ではそれが3階の廊下となっている。英国では1階はground-floorで2階がthe first-floor。字幕の間違いのようです。
■思い出し玉
マルフォイが投げたネビルの思い出し玉を取り返そうと、箒に乗ったハリーが急降下して地面すれすれでキャッチしマクゴナガル教授にその才能を見込まれる。映画では急降下ではなく、マクゴナガル教授の部屋の直前でキャッチする。
■三頭犬との出会い
マルフォイに真夜中の決闘を持ちかけられ、途中で出合ったネビルを加え4人で立ち入り禁止の廊下の右側のドアを開け三頭犬に出会っている。映画ではハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が、気まぐれ階段のせいで禁じられた廊下に迷い込む。
■ロンとハーマイオニーの友情
ロンたちの校則破りを嫌うハーマイオニーが授業で空中浮揚の呪文ができないロンに教え先生に褒められるが、ロンはハーマイオニーの悪口を言い、それを偶然聞いたハーマイオニーは女子トイレで泣いて、二人の仲は険悪になる。
女子トイレに侵入しハーマイオニーを襲うトロールを、寮に戻れとの命令に背きハーマイオニーを探しに来たハリーたちだが、ロンが空中浮揚の呪文でトロールを倒し危機を救う。
駆けつけた教授たちに対し、規則破りを嫌うハーマイオニーは規則を破ったのは自分でロンたちが助けてくれたと嘘を言ってロンたちをかばい、二人の間に友情が生まれたとしている。
映画では、トロールを倒すためロンが呪文を唱える際、ハーマイオニーが手伝っている。また規則破りのくだりも省略。
■クィレル
クイディッチの試合でハリーに呪文をかけるクィレルをハーマイオニーが突き飛ばし結果として呪文破りをしたが、映画では火がついたスネイプに驚いたクィレルが座席から転び呪文が破れた。
■みぞの鏡(The Mirror of Erised)
透明マントを使って見つけた鏡の上部には、意味不明の文字が書かれている。
Erised stra ehru oyt ube cafru oyt on wohsi.
原作でも解説は無く、映画でも文字を左から映すだけ。
本では怪文の謎解きが楽しめ、右から読むと次のようになる。
I show not your face but your heart's desire.
■スネイプとクィレル
ハリーが目撃するのは、原作ではクイディッチの試合後に禁じられた森の中での二人の会話だが、映画では図書館の中での会話となっている。
原作では図書館の中で聞いた会話は、クィレルとボルデモートの会話である。
■禁じられた森の処罰
ハグリッドが卵から孵したドラゴンをルーマニアでドラゴンの研究をしているロンの兄のチャーリーに届けるため、真夜中に透明マントを着た三人は学校の塔の最上階に上がりマクゴナガル先生に処罰を受けるが、映画では夜にハグリッドの家に行ったことで処罰を受ける。
■賢者の石の魔法の防御
学校の先生達が魔法を駆使して賢者の石を守っているが、最初の悪魔のワナの植物は薬草学のスプラウト教授、飛ぶ鍵は呪文のフリットウィック教授、動くチェスは変身術のマクゴナガル教授、魔法薬の瓶はスネイプ教授とハーマイオニーが明かしている。映画では魔法薬の瓶は省略されている。
■ハーマイオニーの貢献
最下位だったグリフィンドールが賢者の石をボルデモートから守ったことで、4人に得点が入りスリザリンを抜いて逆転優勝する。ハリーは飛ぶ鍵とボルデモートで、ロンはチェスで、ハーマイオニーは難関の魔法薬の謎解きで活躍した。
映画では魔法薬の場面がカットされているので、悪魔のワナの植物を抜けだすのにハーマイオニーが貢献したように変更されている。原作では3人で力を合わせて抜け出した。
などです。変えたからといって原作の面白さに影響を与えているものではなく、映画作品としての演出を考えて変えたということでしょうか。
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第7話ハリーポッター原作と映画の違い「死の秘宝 PART2」