憧れのコッツウオルズにやって来ました。
羽田から、ロシアを避けた東回りルートで、14時間半もかけて、氷点下50度のグリーンランド上空を通ってロンドンへ。
ロンドンからバスで2時間半かけて、両側に延々と広がる牧草地帯を見ながら、コッツウオルズ地方へ。
コッツウォルズ(COTS WOLDS)は、「羊小屋のある丘」の意味。
コッツウォルズ地方の中心地、バイブリーに着いた。
詩人・デザイナーとして活躍したウイリアム・モリスが、この土地を「イギリスで最も美しい村」と称して有名になった。
モリスは、オックスフォード大学で建築を学び、産業革命後の大量生産とは異なり、中世の建築やデザインを重視し活動した。
1380年に羊毛貯蔵所として建てられ、17世紀に職工のコテージに改装されたアーリントン・ロウ。
独特の「はちみつ色」の石灰石で作られた家並み。今はナショナルトラストで保存されている。
子供の頃に読んだ絵本の世界だね。
なぜ、立派な石造りの建物が建造されたのか。コッツウオルズが羊毛が栄えた理由は、
1)この地域が羊の飼育に適していたこと
コッツウオルズは丘陵地帯で、草が豊富に生え、冬は寒すぎず、夏は暑すぎない気候。これらの条件は羊の健康に良く、高品質の羊毛を生産することができた。
2)羊毛の需要が高いうえ、他より有利な土地だったこと
中世ヨーロッパでは羊毛や毛織物が貴重な財産で、貿易や税収の源とされたが、コッツウオルズはイギリスの主要港や市場に近く、交通の便も良かったため、羊毛の輸出に有利だった。
屋根まで、石で葺いてある。雨水が浸み込まないよう急こう配だ。
よく見ると、ナショナルトラストと壁に記されている。
コッツウオルズは、古代ローマ帝国の支配下だったため、ローマの文化や技術が取り入れられた。ローマ調の道路や水道、温泉施設などが建設され、ローマの建築様式や装飾もコッツウオルズの建物に影響を与えたそうだ。
入場料もなく、保存された歴史的建造物と往時の風景を楽しむ、観光客が訪れる。
入り口に、解説版が一つ。
「バイブリー村は、かってウイリアム・モリスによってイギリスで最も美しい村と評された。その起源はドゥームズデイ・ブック(1086年)までに遡る。この村には歴史が深く刻まれており、歴史的建造物と野生生物の両方が生息している。」とある。
ドゥームズデイ・ブック(Domesday Book):イングランド王国を征服したウィリアム1世が行った検地の結果を記録した世界初の土地台帳。
トイレや駐車場は、沼地の向こう側(案内板の右側)にある。
広い沼地の中には、野生生物が生息している。
なぜ、建物は今でも残っているのか。
その理由は、産業革命によって時代に取り残されたことにある。
この地方は鉄道網からも外れ、数百年前の田園風景が保たれた。
1966年には、特別自然美観地域 (AONB) に指定され、その景観が保護されるようになった。
この地方は鉄道網からも外れ、数百年前の田園風景が保たれた。
1966年には、特別自然美観地域 (AONB) に指定され、その景観が保護されるようになった。
現在では、地元の人々やボランティアが石壁などの修復や管理を行っている。