バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

来春、入学できるかな? 前編

2011年12月01日 22時05分11秒 | バス運転士
午後3時半頃、私のバスは某駅へ向かっていた。その途中、ある交差点の赤信号で止まったところ、交差点の右方から、同じく某駅へ向かうバスが出てきて右折して、交差点の先にあるバス停に止まった。


よく見ると、バス停には制服姿の学生が20~30人… しかも、かなり乗車に手間取っているようだったので、私は「あのバスは既に満員なのだろう。しかし、いつもそのバス停から乗る高校生たちは、私のバスが空いていることを知っているはずだが… 何をそんなに無理して乗ろうとしているのだろう?」と不思議に思っていた。


信号が青に変わっても、そのバスはまだ動けずにいた。が、私のバスが直後に着けると、さすがに学生たちも無理して乗るのをやめて、一度は乗ったはずの2~3人も降りたようだった。


前のバスが発車して、私がそこへバスを止めると… 1日券を持った“中学生たち”が続々と乗ってきたのである。私は「なるほど、制服姿は制服姿でも、バスに乗り慣れていない中学生たちだったのか…」と納得して発車した。


次のバス停で乗降客があり、その次のバス停でも乗降客が… 否、乗客だけであった。確かに降車ブザーが鳴り、私も「ご乗車ありがとう~」と言いながら降車ランプを確認していたのだが… 「ひょっとして、私が乗客の応対をしている間に、逃げるように降りていったのかな?」と思ったのだが…


来春、入学できるかな? 後編

2011年12月01日 22時04分08秒 | バス運転士
その時、車内から「おい、遊ぶなよ…」という“囁くような声”が聞こえてしまったのである。私は「なるほどねぇ… そういうことか…」と思いながらバスを発車させた。そして、次のバス停の案内が流れると、「ピンポーン!」と降車ブザーが鳴った。


私は「もしや…」と思いながらも「ご乗車ありがとう~」と言いながら、バス停で止まって扉を開けた。が、案の定、誰も席を立とうとしなかったのである。私はしばらく待ってから、怒りを抑えた低い声で「よろしいですか?」と問い掛けた。


私は、そうすることによって“遊び感覚でボタンを押した中学生に、謝罪をするタイミングを与えた”つもりだったのだが… 誰かが小声で「おい、降りるしかないだろう」と言うのが聞こえただけ… 肝心の“犯人”は何も語らず動かず…


乗客の一人であるおじさんが“貧乏揺すり”を始めたので、私は“潮時”と判断してバスを発車させた。数年前の私だったら、間違いなく「ボタンを押した奴は責任を取って降りるか、そうでなければ謝罪しろ!」と言っていただろう。ホント、老いぼれた… かな?


終点の某駅に到着して、次々と降りてゆく乗客たち… そんな中から「二度と乗らねぇからな!」という捨て台詞が聞こえたのだが… それは有り難い。絶対に二度と乗るなよぉ~! 男に二言はねぇからな! ハハハ…