バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

男の携帯3連発

2011年12月21日 21時18分57秒 | バス運転士

先日、バスの中扉付近に座ったスーツ姿の男が、携帯で通話を始めた。その声がやや大きめだったので、私は「ちょっとだけ様子を見て、止めなかったら注意しよう」と思っていた。

しかし、その間に聞こえてきた男の話が「今、バスに乗ったところです」「えっ!?」「はぁ…」「そうですか…」「すいません。明日、お詫びします…」だったので、私は鬼に変身できず… しばらくして、男は自ら電話を切った。

また別の路線で、バスの背後席に座ったポッチャリ男が、携帯で通話を始めた。その声がやや控えめだったので、私は「バスが止まった時に、窓際から覗き込んで小声で注意しよう」と思っていた。

しかし、バスが走っている間に聞こえてきた男の話が「もしぃ…」「すいゃせん…」「気付かなかったっす…」「すいゃせん…」「はぁ…」「すいゃせん…」だったので、またもや私は鬼に成り切れず… しばらくして、男は自ら電話を切った。

またまた別の路線で、バスの助手席に座ったお爺さんが、携帯で通話を始めた。その声がかなり大きかったので、私は「私の近くに座ってその大声は… 挑戦状なのか!?」と思った。

だから、赤信号で止まるや否や、その男の顔を見ながら「バスの中で電話をしないで下さい」と言った。すると、男は「今、バスに乗ってるから…」と電話の相手に言っていた。バスを発車させて間もなく、助手席の方から「すいません」と言う声が聞こえたので、私は正面を見たままそっと左手を上げて小さく頷いた。

ところが、そんな何分も経たないうちに再び男の声が聞こえてきたのである。つまり「すいません」は私に対してではなく、電話の相手に対して謝罪しただけで… その後しばらく静かだったのは、ただ相手の話を聞いていただけ… そして間もなく男は電話を切った。

私の“挙手と頷き”は何だったんだ!? それを見ていた乗客は「まだ男が電話しとるのに、何やっとるんだ???」と思ったに違いなく… 私はとんだ“ピエロ”である。が、ここはトシちゃんみたいに笑って過ごそう! ハハハ… 馬鹿だねぇ~!(そりゃ“ブギ浮ぎILOVEYOU”だって!)