若い男性一人だけを乗せて走っていた。私が「何処で降りるのかな? やっぱり終点の某総合駅か…」と思っていたら、ピンポ~ンと降車ブザーが鳴った。そこには地下鉄の駅もないバス停だったので、私は「こりゃまた意外なところで…」と思った。
バス停では一人のおじさんが待っていたので、私は「ご乗車ありがとう~」と言いながらバスを止め、両扉を同時に開けて「お待たせ~」と言った。おじさんが前扉から乗り、男性は中扉から降りて歩き出し… と思ったら、まだ開いたままになっていた前扉の外で立ち止まり「○○駅って、どっちですか?」と言ったのである。
これまた意外な質問に驚きながらも、私はバスの進行方向を指差して「えっ… ○○駅はこっちですけど… バスを降りちゃっていいの? この2つ先が○○停ですよ」と答えた。すると、男性は「あっ… そうなんですか!? じゃあ… すいません」と言いながら、前扉から再びバスに乗った。
そして、次の△△停を通過して、ピンポ~ンと降車ブザーが鳴り、大きな交差点を左折して、その次の○○停に到着… そこでは数名の乗客が待っていたので、私はここでも両扉を同時に開けた。すると、男性は中扉からバスを降りて、地下鉄出入口のある後方へ向かって走って行った… の、だ、が…
その後、再び同じ路線を走って来た時に気付いたことがあった。男性が降りた○○停の一つ手前、△△停の目の前にある地下鉄出入口に“○○駅”と書いてあることに… この一年間、ボケな私は何も考えずに「△△停の前だから△△駅の出入口なのだろう」と思っていたのである。
改めて路線図を見てみたが、何処にも△△駅などなく…(当たり前じゃ!) これまでに何度も何度も△△停と○○停に止まりながら、「こんな近くに駅があるんだなぁ~」と思っていたわけで…(思い込みにも程がある!) う~む… 自分で自分が怖くなってしまった…(怖いのは顔だけにしとけ!)