バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

乗客を呆れさせる運転士

2013年04月08日 21時19分36秒 | バス運転士

某駅の乗り場で、若い女性がスマホの地図を私に見せながら「すいません、ココへ行きたいんですけど… どこで降りればいいですか?」と言った。いつもならばスッとメガネをずらして見るところだが… なぜか、その時の私は「老眼じゃないぜぇ~」などとカッコつけてしまい、メガネをずらさずにジィ~ッと彼女の顔を… 否、スマホの画面を見つめていた。

が、愚かなオッサンの浅はかな考えは、賢い彼女にアッサリと見破られてしまい「この○○6丁目に行きたいんです。こっちが△△で、こっちが××です」と、画面を指差しながら地図の説明をしてくれたのだった。

それに動揺したわけではない(と思う)のだが、私は自分のバス路線と画面の地図が頭の中で一致せず… それどころか「え~っと… このバスは○○5丁目を曲がってしまうので…」と間違った回答をしてしまう有り様であった。

そこで再び“異変”を察知した彼女は、画面の地図を上にスクロールさせて「ココが△△です」と言い、次に右下にスクロールさせて「ココが××です」と、ボケな私に親切に教えてくれた。

そこでようやく地図の全体像を把握した私だったのだが… 「え~っと… ちょうど中間のような… どっちとも言えないですねぇ…」と、“これまでの時間は何だったんだ!?”的な回答しか出来ず… 彼女は「はい、分かりました」と返事をしながらも、呆れていたに違いない。

気を取り直して某駅を発車… 2つ目のバス停に、お婆さんが立っていた。私は「このバスは次の交差点を左折だけど、直進して行く他のバスを待ってる場合が多いんだよなぁ…」と思いながら、バスを止めて扉を開けた。

すると、お婆さんが「☆☆へ行くには、何処で乗り換えりゃええの?」と言ったので、私は「このバスは左へ曲がっちゃいますよ」と答えながら、お婆さんが乗ってこないように祈っていた。が、私の祈りは通じなかったようで…

お婆さんが「いいでしょ? ☆☆へ行くんだから、左へ曲がっても…」と言いながら乗ってきて… そこで、ようやく私は気が付いた。そこから真っ直ぐ南へ行っても☆☆には行けないのである。私のバスに乗って左(東)へ曲がって数百メートル行き、そこで突き当たった大きな通りを右折して南へ行かなければならないのである。

私は「あ、そうですね… ○○5丁目で☆☆方面行きのバスに乗り換えですね。すいません…」と言うしかなく… お婆さんは黙って席に着いたのだが、これまた呆れていたに違いない。

自分が走っている某駅からのバス路線はもちろん、営業所前ターミナルから☆☆方面へ走っているバス路線も知っているのだが… 私の頭の中ではバラバラに保存されており、すぐに重ね合わせることが出来なかったのである。

私の脳ミソは、なんとまぁ~古いパソコン… 否、二枚の地図を重ね合わせることが出来ないんだから、パソコンどころか紙でもない… 様々な情報を石に彫っていた時代と同じだな。ハハハ…(その不便さといい、頑固さといい… 正に石頭!)