2月から担当コースが変わってA地区巡回バスを毎週のように走ることになったのだが、それ以前に走っていた別のB地区巡回バスと違って経路が二種類(MサイズとLサイズ)あるし、かなり“寄り道(ジグザグ)”するので、乗客から「真っ直ぐ行く?」「××行く?」などと聞かれない日はない。
その度に私は「真っ直ぐ行きますよ」「××へ行きますが、遠回りしますので… 40分くらいかかります」などと答えている。すると「真っ直ぐ行くなら乗ります」「そんなに遠回り… じゃあ(遠回りしない普通のバスを)待ってます」などと言われる。
しかし、中には「そうかぁ… まぁ、いいわ。乗ってこ乗ってこ!」と言うお爺さんもいたりする。それに続いて、少々呆れ顔のお婆さんが「お願いします」と言いながら乗ってくるのである。まぁ、特に急いでいなければ、ちょっとした“地区内観光気分”を味わえると言え… ないか。この運転士にはガイドをする余裕なんてないからねぇ…
また、私の勝手なイメージかもしれないけれど… あっちこっち遠回りする巡回バスというものは、ほとんど決まった乗客になってしまうので、ちょっとだけ“私の運転士付きバス気分”になっていまうのかもしれない。
今日の午後… 降車ブザーが鳴ったので、私は「ご乗車ありがとう~」と言いながら減速… 降車ボタンを押したと思われる一人のおばさんが、早々と荷物を持って中扉(降車口)の内側に立ち… バス停には一人の乗客が立っていたので、私はバスを止めると中扉と前扉(乗車口)を同時に開けた。
すると、バス停に立っていた人が中扉の方へ歩いて行ったので、私は「あらまぁ… 他社バスと勘違いしてしまったかな?」と思ったのだが… 開いた中扉を“窓口”として、バスの中から外へ“荷物の搬出”が行われたのである。
そして、荷物を受け取った人はバス停から立ち去り… 荷物を手渡したおばさんは「どうもすいません」と言いながら席に戻り… 意外な展開に呆然としてしまった私は「あ、はぃ…」とだけ言って、バスを発車させた。
あぁ、こんなに楽しいA地区巡回バスなのに… 6月からはB地区巡回バスが含まれているコースに逆戻りである。う~む、残念…