バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

バッドタイミング!!

2013年04月15日 22時17分02秒 | バス運転士

ある交差点を矢印信号で右折して、片側三車線の道路へ出た。そこにあるバス停で降車客扱いをして、すぐに発車しようと思ったけれど… バス停の2~3m前方にマイカーが止まっていたし、後続の右折マイカーが右隣りの車線を走ってくるので発車できなかった。

待つこと数秒… 矢印信号が消えたようで右折マイカーが途切れ、それまで赤だった信号が青に変わった。私が「今だ! 一斉にスタートした三車線の直進車が来る前に、前方の駐車車両を避けて行こう!」と思って、右一杯にハンドルを切ってバスを動かし始めた…

その時! 前方に止まっていたマイカーが動き出したのである。私は「それならば、わざわざ右隣りの車線へ出る必要はない。このマイカーの後ろを走って行こう」と思って、ハンドルを左に切って左車線をブォ~ン… とはいかなかった。

動き出したマイカーが、すぐにハザードランプを点滅させて止まってしまったのである。つまり… そのマイカーの運転手は「自分の車とバスの間に十分なスペースがなくて、バスが発進できないのだ」と思ったのだろう。

しかし… 残念ながら、その行為は完全に裏目に出てしまい… すでに直進車の大群に飲み込まれ… 私のバスは動くに動けなくなっていた。そして、余裕で行けるはずだった100mほど先の青信号が赤に変わり… しばらく待たされることになってしまった。

その後… 信号が青になり、左折してすぐのバス停を通過して、その次のバス停で数名の降車があり… 「よし、前方の交差点を左折すれば、あとは終点まで行くだけだ。まだ青信号に間に合う!」と思って、扉を閉めてブォ~ン… とはいかなかった。

優先席に座っていたお婆さんの立ち上がる姿が、車内ミラーに映ったからである。私の右足は、アクセルペダルの上で止まったまま… 1秒… 2秒… お婆さんはズボンのポケットに手を突っ込んで、何やらゴソゴソやってから再び着席した。

が、その僅かな時間が“行けるか否か”の分かれ目となり、目の前で信号が変わってしまった… まぁ、どちらも悪気はないので仕方がないのだが… バスなんて、このようなことでも簡単に遅れたりするのである。どうせテレビでやるなら、そういう部分もやって欲しかったなぁ~ なんちゃって…