さて、営業所前ターミナルに到着して、夕食タイムになり… その後、今度は回送で“祭り会場よりも3つ手前の某病院前停”まで行って、発車の順番待ちをすることになっていた。そこは片側三車線の道路とはいえ、路上での待機となるので… 指示書に書いてある時間通りに営業所を出ることにした。
が、それはお祭りのクライマックス(打ち上げ花火終了)の15~20分くらい前だったので、回送途中の信号待ちでクライマックスを迎えてしまい… 私の“お祭り見物”は、ビル越に3~4発の大きな花火の“上半分”を見ただけで終わった。その直後、その先の橋を渡っていたら、そこに路上駐車して花火見物をしていた人たちが一斉に動き出したところだった。
その先の大きな交差点を左折して、真っ直ぐ行けば待機場所… と思っていたら、予定の某病院前停よりも一つ手前のバス停付近でハザードランプを点滅させているバスがいたので、私は「あれまぁ~ バス停一区間を埋めてしまうほど、臨時便のバスは多いのかぁ~」と思って、そのバスの後ろで止まった。
すると、我々と同じ制服を着た人が走ってきて「すいません、どちらの営業所から来られました?」と言ったので、私は「この人がすべての臨時便を仕切っているんだ」と思いながら「××営業所です」と答えたのだが… 「ここは○○営業所の待機場所なので、先に行って下さい」と言われてしまった…
さて、改めて我々の待機場所へ行き… ハザードランプを点滅させているバスの後ろに止まった。対向車線は花火見物を終えて帰るマイカーが並んでいたけれど、信号が青になればサァ~と流れていた… その中にポツリポツリとバスの姿もあったけれど、乗客数は40~50人… 私は「渋滞で遅れることはないし、乗客数もそこそこだし… 楽勝だな」と思っていた… の・だ・が…
花火が終わってからの60分間に、我々のバス(系統)は1台ずつ順番に9台が出ることになっていて、私は花火終了から約40分後の“6番目”だった。「そろそろ発車場所へ行ってくれ」と言われて移動… まだゴチャゴチャしている交差点を、左隣のマイカーと右側の中央分離帯に気を付けながら右折して…
反対車線のバス乗り場で止まっている先発バスが出るまで少し待って… その後、その先の交差点でUターンしてバス乗り場へ着けた。最初は「まぁ、(乗客数は)こんなもんだろう」と思っていたのだが… 発車時刻になってから続々と駆け込み乗車があり、結局“満員御礼”になってしまった。それでも私は「昨年やった運転士が“ほとんどのバス停は通過で、駅が近い△△停か◇◇停で止まるだけだ”と言っていたらしいから…」と、発車できた喜びに浸っていた。
まだまだ路上駐車が並んでいる道路を進み、一つ目のバス停を通過… と思ったら、なんと乗客が待っていたのである。左車線はマイカーに占拠されていたので、私は真ん中車線のままハザードランプを点滅させて乗車扱いをしたのだが… “満員御礼プラス4人”は、なかなか扉を閉められないので、発車するまでに時間がかかってしまった。
なんとか扉を閉めて発車したものの、不安一杯でバスを走らせていた私… 案の定、次のバス停にも乗客の姿が… “満員御礼プラス4人プラス2人”で、またまた時間がかかってしまった。さらに、次の某病院前停にもにもにもにも… “満員御礼プラス4人プラス2人プラス4人”となった。さらにさらに、次のバス停にも一人の乗客が… と思ったが、他系統のバスを待っているようだった。
その先の大きな交差点を右折して、次のバス停を通過したところで、私は「やれやれ… ようやく“お祭り危険区域”から離脱できたなぁ~ この先は降りる人だけで、乗客はいないだろう」と思った瞬間! 次のバス停に2つの人影を発見したのである。その時、私が受けた衝撃といったら… もう「コントじゃないんだから!」と笑うしかなかった。
しかし、すぐに私は「ここは◎◎駅へ行くバスの利用者が多いし… 多分、それを待っているのだろう」と思った。が、勝手に通過するわけにはいかないので、とりあえずバスを止めて… 扉を開ける前に「営業所前ターミナル行きです!」と案内をしたところ、なんと! 2人は運賃精算の動作を開始… “満員御礼プラスたくさん!”になり、「もう少し詰められますか」「お願いします」「ごめんなさい」「扉、閉めますよ」「よろしいですか?」等々…
さてさて、その次のバス停からは“待望の降車のみ”になったわけだが… “ほとんど通過”なんてとんでもない! 逆に、通過したバス停の方が数えるほどで… 終点まで20ちょっとあるバス停の内、通過したのは5つだけだった。そして、なんとか無事に終点に到着したのだが… 予定時刻を20分以上も過ぎていた。
営業所内の所定の場所にバスを止めると、上司から「楽勝だったろ?」と言われたので、私はすぐに「とんでもなぁ~い! あ~だこ~だ…」と答えた。すると上司は「そうか!? さっき帰ってきたバスの運転士は楽勝だったと言ってたけどなぁ~」と言った… そうか、5番目のバスまでは楽勝だったのか…(♪6番目のユウウツ…)
途中、乗客の中から「こんなバス(路線)があるんだ…」とか、「あんな遠回り(電車の乗り継ぎ?)して行かなくても、バス一本で行けたんだ…」と言っている声が聞こえてきたので… 来年は、もっともっと乗客が増えたりして!? 果たして、来年は誰が走ることになるのやら…(オマエに決まってるじゃん! ハハハ…)