午後3時半頃、私は某駅ロータリーの待機場所に止めたバスの中にいた。某駅に到着する直前から降り出した雨がドンドン激しくなっていた… と、その時! ピッシャ~ン! バリバリバリバリ~ ドドドドド… 私がボォ~ッと眺めていたビルの避雷針に落ちたようだった。そしてザーザービュービューと、風雨が一段と激しくなった…
いつもと少し違う状況に遭遇した場合、まずは「他の運転士さんだったら、どうするのだろう?」と考える。そして、複数の考えが浮かんだ時には「こうする運転士さんの方が多いんじゃないかな?」と思った方法で対応している(つもり)。
今回の“議題”は「土砂降りの雨の中… バス乗り場に人がいたら、何分前にバスを着けるか?」であった。しかし、発車時刻の7~8分前には誰一人いなかったので、私はそのまま待機していた。が、5分前に見たら、一人のおばさんが立っていたので「まぁ、一人だけならエンジンを掛けなくても(=エアコンを入れなくても)車内が暑くなることもないだろう」と思って、バスを乗り場へ移動させた。
その後、発車時刻までに数名の乗車があり、バスは予定通りに発車… そして、大きな交差点を右折して一つ目のバス停へ… そこには“いつものように”バス停のすぐ前方に駐車マイカーがいた。大抵の場合、そこに止まっている車は… 少しは気を使っているのか“バスがバス停にピッタリ着けても、何とか発車できる程度の距離”を取っているのだが… 今回はちょっとバス停に近かった。
そんな時… 昔だったら、とりあえずクラクションを鳴らして様子を見たのだが… 今は「クラクションを鳴らすな」なんて言われているので、そういうことも出来ない。そこで、何とか車内を見ようとしたのだが… よく見えず、ドライバーがいるのかいないのか分からなかった。そうなると、バスをピッタリと付けるわけにいかず… 私は少し手前&歩道から離してバスを止めて扉を開けた。
すると、バス停で先頭に立っていた男性が「もっとピッタリ寄せてよぉ~! 雨が降ってるんだからぁ~!」と大きな声で叫んだのである。私は「別に… 嫌がらせで離して止めたわけじゃないんだよ!」と思って「ムッ」としてしまい、「そう言うなら、アンタの望み通りに寄せてやるよ! ただし、前の車にドライバーが乗っていなかったら、1時間でも2時間でもこのまま動けないかもしれないからな!」と腹をくくってバスを歩道にピッタリと寄せ… それと同時に、前の車にもピッタリとくっついた。
すると、幸いにも前の車のブレーキランプが点灯したのだが… なぜか動こうとはせず、左ウインカーだけが点滅を始めたのだった。私は「とりあえず、ドライバーがいて良かったなぁ~」と思った。そして、待っていた人たちの乗車が完了して、ちょうど発車時刻になり… バスの右ウインカーを出したけれど、前の車は動こうとしなかったので… 私は「プワォ~~~ン!」と思いっ切りクラクションを鳴らした。すると、その車はゆっくりと発進して… その先の先の先の交差点を左折して行った…
もしも、その車にドライバーが乗っていなかったら… まだバス停で止まっていたりして…(そんなアホな!) あるいは、ドライバーか警察のどちらかが来るまで、ずぅ~~~~~っとクラクションを鳴らしっ放しにしてたりして!?(おいおい、そんなことをやったら… 某テレビ局が喜んで叩きに来るぞぉ~! あ、まさか… そこまでしてテレビに出たいのか? ハハハ…)