夕方、某駅へ向かって走っていた。乗客は少なく、交通量もそれほどでもない路線なので、時間調整停車しながらの運行だった。気が付けば、車内からは人の気配が消えていた… が、“万が一!”ということがあるので、私は油断せず&歌ったりせずに走っていた。
あるバス停を時間ピッタリに通過して、私が「次のバス停では、また時間調整停車だなぁ~」と思っていたところ… 左側の歩道をバスの進行方向と同じ方向へ歩いていた若い女性が、チラッとこちらを振り返ったのである。
私は「ひょっとして、このバスに乗るのかな? 次のバス停で時間調整停車するから、走れば間に合うよぉ~」と思って、早めにハザードランプの点滅を開始し、バス停で止まって扉を開けた… しかし、左ミラーには若い女性どころか誰も映っていなかった。
私は「なんだ… 乗客ではなかったのか~」と、少しガッカリしながら扉を閉めて発車… 10mくらい前進したところで、信号待ちの車の列の後ろに付いた。そして、ボォ~ッと信号機を眺めていたら、左の方から「すいませぇ~ん」と言う女性の声が聞こえてきたのである。
私が「おぉ~! さっきのお嬢さん、待ってまし…」と思いながら扉の外を見ると、そこには一人のおばぁさんが立っていた… 私は再びガッカリ… 否、ニッコリ笑顔で扉を開けた。少し顔が引きつっていたかもしれないけど…
追伸 それから約1時間後、走行中に激しいゲリラ雷雨に見舞われてしまい… ピカピカバリバリザーザービュービュー… 大量の雨粒と、強風に飛ばされた水しぶきに視界を遮られ… それこそ、顔を引きつらせて運転していた私だった…