現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「アンパンマン」の「やなせたかし」氏逝く

2013-11-05 09:42:42 | 心の問題
「アンパンマン」の「やなせたかし」氏が亡くなった。94歳。
NHK「ラジオ深夜便」で、生前に録音、放送された
インタビューを聞いた。

「悪をやっつけるヒーローものはいっぱいあるけれど、
お腹をすかせた子供を救うヒーローはいなかった。
顔をけずって、パンを分け与えるという発想は、当初、
たいへん不評だった。編集長も誰も理解してくれなかった。

『我々は何のために生まれ、何をして生きるか。
答えられないなんて そんなのいやだ」という歌詞も
「3歳児には難しすぎる」と反対された。

でも、2歳3歳の子供に わかり易いように説明したって
どうせわからない。ならば、難しくたっていい。
子供の頃、意味も解らずに歌っていて、やがて大人に
なって「そういう意味だったのか」と理解してもら
えればいい。「子供に解りやすい言葉で」というのは
絶対間違っていると。

今、大学を卒業しても何をすればいいのか 分からない人が
結構いる。自分もそうだった。漫画家にもいろんなジャンルが
あり、どこにいっても大天才がいるので負けてしまう。
自分の道を長い間探し求めて、やっと見つけたのは
メルヘンチックな方向だったとも。


私も、学生時代、まともに就職できるのか、会社にはいれても
仕事をできるのか、社会で生きていけるのか、不安でした。
今の若者はもっと大変だと思う。未知のものを創造していく
能力がある人と無い人、その差は歴然。一部のエリートと
落ちこぼれの差は開く一方。

中日新聞 11/3「300文字小説」から【看板】

2013-11-05 09:41:45 | 社会問題
中日新聞の「300文字小説」。11/3 横浜市の主婦
「林真紀子」さんの作品『看板』を無断転載させて
いただきます。

【 小さな公園で子供がボールの壁当てをしていると、
隣のマンションから「うるさい!」と女性が飛び出して
きた。数日後、市の職員がやってきて「ボール壁当て
禁止」という看板を立てていった。
 
公園から飛び出た子供のボールが隣の駐車場の車に
当たった。今度は「ボール遊び禁止」の看板が立った。
子供がフェンスから落ちた時は「フェンスに登るな」、
子供が自転車で事故を起こすと「自転車禁止」の看板が。

小さな公園は、だんだん看板でいっぱいになっていった。
ある日、子供が看板にぶつかってケガをした。やがて
やってきた職員が公園の看板を全部撤去した。
それを眺めていた子供達は、すぐ、いつものように
遊び始めた】


ウ~ん。「苦情があると何でも禁止すればいい」といった
お役所の対応を皮肉ったものですか。ならば、私なら、
最後のオチは【「看板立て禁止」の看板を立てていった】で
いかが。


とある広大な公園に行った時のこと。広い空き地があっても、
「柵内に入るな」「球技禁止、鳴り物(楽器)禁止、騒音禁止」。
子供が はしゃぎ回るのもダメ。そして「芝生に腰を下しても
ダメ、アベックが寝そべってもダメ」。

広い公園内をひたすら歩いて、疲れても腰を下すことも
できない。全く癒しにも休養にもならない公園。いったい
誰のため?何のための公園?