現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「暴対法」で困るのは・・・

2013-11-15 00:55:44 | 社会問題
京都黒谷の「金戒光明寺」。幕末、京都守護職と
なった会津藩の本陣が置かれた寺であり、会津藩士の
墓地がある。長州を逐った「禁門の変」での戦死者は
官軍として葬られたが、慶応3年正月の「鳥羽伏見」
での戦死者は“賊軍”とされ、埋葬は許されなかった。
その“禁令”を犯して、戦死した会津藩士の遺体を
運び、ここに埋葬してくれたのは 会津藩お抱えの
博徒「会津の小鉄」だった。さらに「会津小鉄」は、
官軍の包囲網を潜り抜けて、会津まで、戦死者の
遺品を届けている。

「金戒光明寺」には、その「会津小鉄」の墓がある。
台座から高さ3mほどもある大きくて立派な墓である。
京都会津会では、「会津小鉄」の義挙に感謝し、
毎年法要を行ってきた。

ところが、現在「会津小鉄」を名乗る指定暴力団が
ある。こちらは 昭和50年に「会津小鉄」の名跡を
復活させて できた新興暴力団。

それで「暴対法」によって「会津小鉄」の法要を
営むことはできなくなった。


さて、我が家の近くは、その筋の方が多い。
「○の市」では露天商が立ち並ぶ。その場所を
割り当てるのは△組のもん。各露天商はショバ代を
払って、場所を指定してもらう。当然「暴対法」に
抵触するが、もし取り決める者がいなかったら、
良い場所の取り合いになって、収集がつかなくなる。
目下、警察も黙認中のようだ。

その場所で、虚無僧すると「どこの(組の)もんか」
といちゃもんつけてくる。「○○に挨拶に来んと
いかんだろ」と。挨拶、つまり“めかじめ料”を
差し出せば、罰せられるのは私の方だ。


以前、近所の理髪店に行った時のこと。隣りの
椅子で散髪をしている人が、。散髪をしながら
ケータイ電話をかけている。なんと ○○警察に
掛け、「○○課長を出せ」と。そして「ああ、
わしだ。○○会の××だ。今ウチの若いモンが、
そちらで世話になってるが、よろしく頼む」と。

やはり、警察とやくざは つるんでいる。

その後「暴対法」ができて、やくざに情報を
提供していた警察官が逮捕されたりして、
警察も困惑しているようだ。

先日「暴対法」について「公安OB」の講演を
聴いた。「以前は、その筋の人とお付き合いする
ことで、いろいろ情報が得られた。しかし今は
『暴対法』で、彼らとの飲み食いは一切不可と
なった。そのため情報がはいらなくなったから、
かえって“怖い”。取り締まりで収入が減って
いるから、下の者は生活に追い詰められて、
ヤク(麻薬)にも手を出すし、資金稼ぎに何を
するかわからない」と。