現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

7/10 「平和デイサービス」にて

2014-07-13 21:53:03 | 虚無僧日記
毎月10日は、「平和デイサービス」でボランティア演奏。
一路会の「長縄、加藤、渡辺」の3人を伴って行く。
ようやく、3人で三重奏ができるようになり、私は
もっぱら「歌い手役」。

それに通所者の「浅野」さんも加わる。「浅野」さんは、
若い時、尺八を習っていたが、60代で脳梗塞に罹り、
以降80になるまで、尺八はあきらめていた。それが、
ここで私の尺八を聞いて、もう一度挑戦してみようと、
80歳から再開された。

童謡、唱歌がせいぜいだが、脳梗塞で麻痺した手指の
リハビリにはなっている。一生懸命吹く姿を、みな
温かく見守り、惜しみない拍手をしてくれる。それが
「浅野」さんの励みになっている。最近メキメキ
明るくイキイキ若返られた。

さて、「今日 初めて」という「湯○」さん。男性。
「お誕生日」ということで「ハッピィバースディ」の
曲をプレゼント。

その方が申すには「一昨年だか、テレビで、外国人で
尺八を作っているのを見た。その人、世界で一番(尺八)が
上手いって言ってました」と。

「ジョン海山ネブチューン」のことか?
その人の云う通り、今や外国人の方が、尺八は上手い。
「私の尺八も、そのネプチューンのです」と言うと
その方も驚いていた。





7/13 虚無僧の旅 彦根

2014-07-13 19:03:47 | 虚無僧日記
せっかく京都までいくのだから、このまま帰るのは
もったいない。新幹線や名神高速を利用していては
行けないところへ行ってみようと。

13日(日)は京都から一般道を通って「安土城」
そして「彦根」へ。

まずはも彦根の旧商店街で、一軒一軒 門付け。

日曜日でお休みか、半数はシャッターが下り、客足も
全く無いが、それでも開いているお店の何軒かから
お布施をいただいた。もう、こういう商店街は
日本中から消えていくだろう。こういうお店こそ、
虚無僧の神通力で「千客万来、商売繁盛」が
叶ったらいいなと、心から願う。

一方、彦根城の前には、観光客目当てに、和風の
統一した造りで、みやげ物屋や飲食店が店を
開いている。
観光客で賑わってはいるが、こういう新しい店は
虚無僧には冷たい。数十軒廻っても、喜捨して
くださる店はゼロ。

それでも、観光客が2組ほど喜捨してくださった。

そのうちのお一人の男性は「写真撮らせてください」と。

最近は写真を撮ってくれる人も少なくなった。
まして、きちんと「撮らせてください」なんて
断る人は 皆無になった。

10年前までは、観光客によく囲まれたのに。
なぜだろう。この町並みに虚無僧は 絶好の絵に
なると思うのだが。

その男性が「これ(錦の袋と白房)は 何のため
ですか?」と聞いてきた。

「私も つい最近知ったのですが、千日回峰行の・・」
と、そこまで云うと「はいはい、酒井雄哉大阿闍梨
ですね」と。

「そう、その酒井師が云ってました。『行が挫折した時、
この紐で首を吊るか、刀で首をかき斬るためのもの』と。
私も 尺八が吹けなくなったら、これで自決するんです」と。

すると、「いやぁ、厳しい修行をされているんですね。
ご苦労様です」と、お布施をくださった。

私は心の中で「全然!。楽しんでやっているだけです」と。
「酒井大阿闍梨」を知っているというから、虚無僧にも
関心を示されたのだ。こういう方が おられるということに
勇気をいただいた。

7/12 虚無僧の旅 京都 黒谷へ

2014-07-13 19:03:33 | 虚無僧日記
「家近慧雲」氏に招かれて、京都へ。

朝6時に名古屋を立ち、東名阪道、亀山から
「第二名神」を通って京都へ。130km、
道路は空いていて、8時には 「京都東」に
着いた。山科から三条へ抜け、北へ上れば
「金戒光明寺」。そこの山上部に「会津藩墓地」が
ある。先祖の「牧原宗仲」が眠っており、
京都に行った時は 必ずお参りする。

「今年も来ましたよ~」と声をかけ、尺八を
とりだして『手向』を。しかし、涙が出て、
音にならない。どうしても泣けてしまう。

とぎれとぎれに吹いていると、若い女性が。
涙を隠しながら吹く。こういう『手向』が
ホンモノの『手向』だと、自分自身で思う。

墓地を整備して永代供養をお願いした時の
奉賛者の銘板に、叔父の「牧原源一郎」
父「牧原五郎」、従姉の夫「高瀬喜左衛門」の
名前を見つける。

それより驚いたのは、お参りに来た方が、
書き残していくノートをめくったら、
6月20日に、私の妹の名が。まだ20日ほど
前のことだ。
「京都に行く」なんて聞いていなかった。
去年も会津に行った時、一日違いで、妹が
来ていった。やはり、会津の血がここへ
足を向けさせるのか。

「家近」氏のお宅へは 午後1時の約束なので、
大徳寺のあたりを虚無僧で廻ってみた。観光客の
姿もまばらで、反応ゼロ。

禅寺も尺八も外国人のものに

2014-07-13 18:42:12 | 虚無僧日記
アメリカ人のPilip君にも驚かされたが、とにかく、
驚きの連続でした。

私を指名してくださった「家近慧純」師もすごい方でした。
「家近慧純」師は、臨済宗妙心寺派 「慈雲寺」の 住職。
ホンモノの僧侶。尺八は明暗寺看主の「福本閑斎」師、
四国の「明珍宗敏」師に師事、「小沢絶外」師、「芳村宗心」
師とも交流。愛管は「虎月」でした。

その奥様がびっくり。チェコ人!。背が高く、すらっとした
妙齢の超美人「クリスティーナ妙雲」さん。まだ20代?。
夏の着物姿で出迎えてくれました。

クリスティーナさんに通訳してもらって、Pilip君と、
かなり突っ込んだ話ができました。

彼は、私が用意していったテキストを見ようとせず、真剣に
私の手をそっくり真似するのです。最初の「ロ」の音から、
私が無意識に「2孔」の「当タリ」を入れると、その通りに
するのです。そこで「私の生徒は、譜面ばかり見て、そこには
書いてない手を教えようとしているのに、ちっともやろうと
しない」などと言うと、彼も「僕のフルートの生徒たちも
まったく同じ。譜面しか見ていない」と。

また「複式呼吸」「息の抜き方」など、私の生徒たちは、
なかなか理解してくれないことも、彼は即マスターしてた。


妙心寺の塔頭「春光院」も驚き桃の木。ここの副住職(息子さん)の
奥さんはアメリカ人とのことで、外国からの参禅者を専門に
受け入れている。Pilip氏もそれで、ここに泊まることとした。

しかし、禅寺では「禅ミュージック」のはずの「尺八」は
教えていない。そこで私が呼ばれた。

私が訪問すると出てきた案内役は アメリカ人の若い女性。
「今日は40人もの(外国人)の団体が泊まる」とのこと。
寺の中は外国人ばかり。「英語での座禅」が人気なのだそうだ。

禅寺も尺八も外国人のためのものになってきた。

3時間で尺八をマスター、驚異的

2014-07-13 17:01:52 | 虚無僧日記
彼の名は「Philip Snyder」さん。アメリカ人。南カロライナ大学の
フルート、マスタークラスの「Student」というから学生なので
しょうが、すでに生徒を持って教えているようです。

その彼から、突然、京都の「家近慧純」師の元に「7月12日
京都の妙心寺に行くので、尺八を教えてほしい」とメール。

そして「家近」氏から、私に「尺八指導」の依頼のメールがあり、
「家近」氏のお宅で尺八レッスンをしてまいりやした。

Pilipさんが「家近」師を探し出したのもネット、その「家近」氏が
私を指名したのもネット。お互い、全く面識が無く、ネットでの
サーチ。

さて、「Pilip」君と呼んでもいいような好青年。尺八は
「プラスチックのを持っている」というが、日本には持ってきて
いない。「いったい どうやって習うつもりだったのか。何を
どの程度 学びたいのか」か解らない。

私の方から、尺八を何本か用意していったので、それを貸し、
まずは「ロツレチハ」。ちゃんと音が出る。

1オクターブ上の甲(カン)」も出る。中メリもメリもカンペキ。

そこで、用意していった教材を使って、わずか3時間で、彼は
尺八のすべてをマスターしてしまった。

1.『日の丸』に始まり『蛍の光』『アメイジンググレース』
2.『さくらさくら』『荒城の月』で「メリ」の練習
3.『調子』で、「アタリ」と「フリ(ナヤシ)」を
4.『手向』で、メリの二段落とし(折り)
5.『鹿の遠音』で、上行と下行の「スリ手」

と、ここまでで「都山流「琴古流」「明暗諸派」「海童道」の違い、
特長を教え、1尺8寸と1尺6寸のスケール。ドレミファソラシドも
マスターした。

さらに『鶴の巣篭もり』の手、「カラカラ」や「コロコロ」などの手も、
また、諸井誠の『竹籟五章』で、スタッカートやタンギング、
「ムラ息」などの奏法もあっさり習得した。

さらにさらに、「声を出しながら吹く方法」、「重音」など、
最新技術も、「フルートでもある」とカンタンにやってのける。


私が50年かかって積み上げたものを、ものの3時間で習得
しまったのだから、驚いたのなんの。

これからは、尺八は外国人のものになる。