「伝統的家元制度」を批判し、その外に はみ出してきた私
ですが、師の立場からすると、「家元制度」は老後の生活を
確保するための年金制度のようなもの。
直弟子、孫弟子、そのまた ひ孫弟子とピラミッドを形成し
ていけば、歳とって、直接教えられなくなっても、免状料や
尺八購入代金の一部が入って、生活は安泰。
「堀井小二朗」師は、それを構築しなかったので、老後は
みじめでした。私もそうか?
短期間で上達して巣立っていってしまう人より、毎回毎回、
同じことを何度も何度も教えて、ちっとも上達しない
お弟子さんの方が、“宝”です。
早く「上達させてやりたい」と必死に教えても、一向に
上達しない。「気の毒で、申し訳ないと思う」とある方に
こぼしたら、「それでいいんですよ。みなカンタンにプロに
なられたら、食べていけませんよ」と。なるほど。
尺八は実にカンタン。ピアノやバイオリンなど、相当お金を
注ぎ込んで、10年やってもプロにはなれないけれど、
尺八は、習わなくともプロになれる。ライバルがいない。
と思うのだが、やはり、プロになれる人は、ごくごく少数。
「旦那芸で良し」とするお弟子さんたちがいて、プロは
生活が支えられているのだ。そういう方 歓迎。大事に
しなければ。
尺八はいろいろ、その人に応じた“楽しみ方”があるのです。
以前、93歳、耳がまったく聞こえない方が入門してきました。
耳は聞こえないけれど、「骨に響きを感じて、それが心地よい」と。
何を教えても聞こえないので、私は黙って、聞いてあげているだけ。
その方、自分でも吹けているのかどうか判らないので、どんどん
曲を進んでいくのです。一日一曲。1年で地歌の中伝クラスまで
進んでしまいました。全く曲にはなってませんが、「中伝」の
免状を出してあげたら大喜び。そんな楽しみ方もあるのです。
ですが、師の立場からすると、「家元制度」は老後の生活を
確保するための年金制度のようなもの。
直弟子、孫弟子、そのまた ひ孫弟子とピラミッドを形成し
ていけば、歳とって、直接教えられなくなっても、免状料や
尺八購入代金の一部が入って、生活は安泰。
「堀井小二朗」師は、それを構築しなかったので、老後は
みじめでした。私もそうか?
短期間で上達して巣立っていってしまう人より、毎回毎回、
同じことを何度も何度も教えて、ちっとも上達しない
お弟子さんの方が、“宝”です。
早く「上達させてやりたい」と必死に教えても、一向に
上達しない。「気の毒で、申し訳ないと思う」とある方に
こぼしたら、「それでいいんですよ。みなカンタンにプロに
なられたら、食べていけませんよ」と。なるほど。
尺八は実にカンタン。ピアノやバイオリンなど、相当お金を
注ぎ込んで、10年やってもプロにはなれないけれど、
尺八は、習わなくともプロになれる。ライバルがいない。
と思うのだが、やはり、プロになれる人は、ごくごく少数。
「旦那芸で良し」とするお弟子さんたちがいて、プロは
生活が支えられているのだ。そういう方 歓迎。大事に
しなければ。
尺八はいろいろ、その人に応じた“楽しみ方”があるのです。
以前、93歳、耳がまったく聞こえない方が入門してきました。
耳は聞こえないけれど、「骨に響きを感じて、それが心地よい」と。
何を教えても聞こえないので、私は黙って、聞いてあげているだけ。
その方、自分でも吹けているのかどうか判らないので、どんどん
曲を進んでいくのです。一日一曲。1年で地歌の中伝クラスまで
進んでしまいました。全く曲にはなってませんが、「中伝」の
免状を出してあげたら大喜び。そんな楽しみ方もあるのです。