現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「鶴の恩返し」ならぬ「サギの仕返し」

2019-05-13 05:14:38 | 社会問題

昔話「鶴の恩返し」のパロディ「サギの仕返し」。

「鶴の恩返し」の話を聞いた 弥太郎。「われも
ヤッタロウ」と、湖畔にワナを仕掛けた。
うまいこと白い鳥がかかった。「ほれ ほれ、
わしが助けてやっからな」と、ワナをはずして
白い鳥を放してやった。

すると、何日かして、トントンと戸を叩く音。
開けてみれば、そこには美しい娘が。
(ほい、おいでなすったか)。「どうぞ どうぞ」と
招きいれ、いきなり強姦して妻に。そして「反物を織って
おくれ」と。

「ひとつ約束を」「はいはい解っておる。ぜったい
中をあけて見ないから、どうぞ、安心して織って
おくれ」と言い残して、弥太郎は町へ遊びに。

「へへへ、これでたんまり金がはいる。たまらんわい」
と有り金 全部使いはたして 家に帰ってみれば、
「はて?」。機織(はたおり)の音がしない。
それどころか、家財道具一式全部無い。「ヤヤヤ、
いったいどうゆうこっちゃ」。

はい「サギの仕返し。織れ織れ(オレオレ)サギの話」
でした。

おそまつ。とどまつ。ジュウシマツ。




辻潤のダダイスム

2019-05-13 00:34:43 | 社会問題

私のブログの検索状況を見ると、結構昔の記事も読まれています。

今日は、この記事が読まれていましたので、再掲します。

 

辻潤の生き方を見ていると、自分のことのように思え
そら怖ろしくなる。私は 酒に溺れないだけ マシだが、
性格は似ている。

辻潤は、知らずのうちに「ダダイスム」の教祖となり、
信奉者も集まるようになった。

辻は、大杉栄ら共産革命家に 同情はしていたが、
みずから行動することは無かった。警察に捉えられ、
「貴様は共産主義か!」と問われた時、「はい、
降参主義です」と答える駄洒落(だじゃれ)を持ち
合わせていた。

「無為無作、無所得、酔生夢死」を標榜し、隠遁者か
廃人のように思われているが、辻の「後援会」には
佐藤春夫・武者小路実篤・北原白秋・谷崎潤一郎
などが名を連ねているのだ。多くの人が、彼の生活を
支えていた。

辻が精神病院に入院していた時のエピソード。
辻が 日向ぼっこをしていると、 雀が飛んできて
辻の肩に止まったという。釈迦にも同種の話が
あり、狂人や聖者が、完全に無私、無我の境涯に
なれば、小鳥たちも安心して近づいてくるという。

私も無心で尺八を吹いていたとき、シジュウカラが
部屋の中に飛びこんできて 私の肩に止まったことが
ある。


幸徳秋水と管野スガ

2019-05-13 00:33:55 | 社会問題

大杉栄と伊藤野枝が殺害されたのは、大正12年(1923)。その12年前の
明治44年(1911)、幸徳秋水と管野須賀子が殺されている。今から
100年前のことだ。この2組のカップルの罪状は、無政府主義、
社会主義、女性解放、自由恋愛。そんなことで死罪になる異様な
時代だった。

幸徳秋水らの直接の罪状は「天皇暗殺謀議」だが、オウムのように、
真剣に計画実行しようとしていたわけではない。しかし、それを
口実に、社会主義者たちが根絶やしにされたのだった。

大杉栄と伊藤野枝の関係と同じく、幸徳秋水と管野須賀子の男女
関係もすさまじい。伊藤野枝が夫「辻 潤」を捨てて大杉のもとに
走ったように、管野須賀子は、夫「荒畑寒村」が獄中にいる間に、
離縁状を送りつけて幸徳秋水のもとへ走った。大杉には妻と愛人が
いたように、幸徳秋水にも妻千代子がいた。秋水は妻と離婚して
須賀子と同棲する。

大杉は愛人「神近市子」に刺されるが、幸徳秋水と須賀子は、
荒畑寒村に命を狙われた。

このような一連の「不倫スキャンダル」は、世間の好奇と揶揄、
指弾の的になる。須賀子の前半生の男遍歴は「淫婦、姦婦」と
中傷されるほどすさまじい。

須賀子の夫だった「荒畑寒村」は、昭和56年(1981)に 93歳で
没した。瀬戸内寂聴は「寒村」にも会って取材している。