2009年に書いた記事の再掲です。
萩からの帰途、岩国に立ち寄り、錦帯橋を見てきた。
岩国は基地の町だから繁華街にあるものと思っていたら、
山あいの、京都嵐山のような風情だった。両岸には武家
屋敷の名残りを留める家が並び、ここも萩と同様、時代に
取り残されたような町だ。
近くに宇野千代さんの生家があると知って、立ち寄った。
生家は、岩国市が買い上げ、NPO法人で維持管理されていた。
案内役のご婦人が、温かく虚無僧を迎えいれてくれ、「何か
お話をたまわりたい」との言葉に、「明も暗も心の内よ」
とのたまえば、なんと宇野千代の言葉にも
「幸せは遠くにあるものでもなければ、人が運んできてくれる
ものでもない。自分自身の心の中にある」と。
明治30年生まれながら、自由奔放な男性遍歴。『徹子の部屋』で
黒柳徹子が、「こんなに、誰々と寝た寝たという人初めて」と
笑いこけていたとか。
私が記憶しているのは、94歳頃の新聞記事だ。記者が「若い時は
ほんとうにおきれいだったんですね」と言ったら、眼鏡の奥の目が
キラッと光り「今が一番きれいです」と言われたと。
過去にとらわれない。過去を振り返らない。美しく老いる。いや
老いて ますます輝き、「100歳まで生きる」と言っていたが、
目前の98歳で亡くなられた。
つい8月18日にも、「衝撃!女たちは目撃者『歴史サスペンス劇場』
で「誰も真似できない女のスゴイ生き方、宇野千代」として 取り上げ
られていた。「こんな女性もいたんだ」と知る人ぞ知るの人である。
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