現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

2日間で餅1個

2008-01-07 11:37:50 | 虚無僧日記
1月5日の早朝、朝起会会場でおしるこをご馳走になってから
丸一日飲まず喰わず。2日目の1月6日も朝9時から立つ。
不思議と腹は空かない。「加藤さんや植松さんがお伊勢参り
に来られると聞いていたので、逢えればごちそうしてもらえる
かな」などと期待していると、却って会えない。
「いかんいかん、そういう欲を捨てる修行」と、妄想邪念を
振り払って尺八を吹いていると、美しい女性に声をかけられた。
「お尋ねしますが、一路さんですか」と。詩吟の会でお目に
かかったことのあるMさんだった。会員200名を擁する宗家だ。
うろたえる私に「お茶でもいかがですか」とお誘いを受けた。
家はすぐ近くだという。なんでも成り行きまかせ、断らない
主義なので、ホイホイ着いて行くことにした。
広大な敷地に母屋と別棟、納屋が点在するお屋敷だった。
春には桜、秋には紅葉、夜には月を愛でて過ごす雅な生活。
雉も飛来し、狐や狸も出るという。おしるこにお雑煮まで
いただいて、まさに狐につままれたような夢見心地。浮世離れ
した別世界。時代劇のラストシーン、尼寺に“昔の人”を訪ね、
今の心境を語りあうかの如き出会いに胸ときめいた。




伊勢神宮お払い町で虚無僧

2008-01-07 09:53:32 | 虚無僧日記
1月5日お払い町の入口近くで虚無僧する。
以前はハヒーと思いっきり吹いていたが、
今年はどうもその気になれない。頬を膨ら
ませる吹き方で、静かに『調子』を吹く。
しばらく続ける。
1時間吹いてもお布施ははいらない。前を
通る人々の顔も険しい。「いかがわしい」
という目で見る。これはいかん。どうも“陰”
の気を発しているようだ。音に気を集中す
ると、やがて小さい音でも芯のある真音が
出てきた。今までに無い音だ。
初めて中年の男性が500円玉を入れてくれ
た。それからはポツリポツリといただける
ようになった。
家族連れが2、3歳の子供に小銭を持たせ
て近寄ってくる。その子は私の偈箱の上で、
小銭をポトリと落とす。まだ言葉もわから
ない幼児が、どうして偈箱にお金を入れる
ということが判るのだろう。これだけでも
不思議なことだ。その家族の日頃の精進で、
布施の心がこんな幼児にも解かるのだ。




1月5日伊勢神宮参拝

2008-01-07 07:45:23 | 虚無僧日記
朝熊(あさま)山から下山して、伊勢神宮に
参拝。まだ9時前だがすごい人だ。
 なにごとやおはすか知らねども
    手を合わせ 伏し拝みつる
誰もかれもが、この大御神の前に立てば、
自然に手を合わせ、伏し拝みたくなる。
この気はなんなんだろう。伊勢の山々、
五十鈴川のせせらぎ、木々の一本一本まで
が神が宿り、神々しく霊気を発している。
清らかな“気”に包まれているのだ。
参拝に向かう人々の顔もまた清々しく明る
い。大御神の前では皆善男善女になるのだ。
自分も虚無僧として、吹く尺八の音で、人
々の心が清められたらと思う。それには何
が必要なのだろうか。自問自答しながら、
おはらい横丁の入口で、静かに尺八を吹く。





1月5日伊勢朝熊山へ

2008-01-07 06:03:10 | 虚無僧日記
朝6時半に伊勢の朝起会場を出、車を飛ばして
伊勢スカイラインにはいり、朝熊山(あさまやま)
に登った。山頂手前に金剛鉦寺があり、さらに
山頂付近まで登ると八大龍王を祀る社がある。
私は毎年ここに詣でることにしている。
明暗寺開祖虚竹禅師がこの朝熊山に参籠し、
霧の中から妙音を聞いて『虚空』『霧海箎(むか
いじ)』の二曲を作ったという虚無僧伝説の地な
のだ。
伊勢の海から吉野の山々まで360度一望でき
る絶景の地だ。
着いた時丁度鳥羽の海から真っ赤な太陽が
昇り、次第にあたり一面金色に輝いた。まば
ゆいばかりの光を浴びて、えもいわれぬ不思
議な気持になる。1時間あまりここで尺八を
吹き、虚無僧装束に着替えて下山した。

1月5日伊勢の朝起会へ

2008-01-06 22:45:07 | 虚無僧日記
1月5午前0時に名古屋を発ち、朝5時前に伊勢
市の朝起会会場に到着した。伊勢の会員20名
ほどに、正月で帰省したという三ツ矢衆議院
議員、神戸からお伊勢参りにきたという中村
さん一家4人、そして私の6人が来訪者だった。
倫理は政治、宗教とは無縁のはずだが、自民、
民主の政治家は熱心に朝起会に顔を出される。
こんな早朝から、人が集まる所を求めては顔
を出して挨拶しているのかと感心させられる
この日は丁度鏡開きをするとのことで、おし
るこをごちそうになった。ラッキーであった。
会員の松島氏は、ジャズのギターを弾くので
ジョン海山ネプチユーンを知っているとのこ
と。ここでも尺八を通して会話がはずんだ。

1月5、6日は伊勢に

2008-01-04 22:57:59 | 虚無僧日記
1月4日夜加藤護さんが初稽古にみえた。
2月11日お嬢さんの結婚式に「秋桜」を
尺八で吹きたいという。特訓した。
こうして難曲を乗り越えていくことに
成長を感じ、喜びとなるのだ。

これから家を出て、5日6日伊勢に行って
来ますので、ブログは2日間お休み。
さてどんな出会いがあるか。帰宅後に
土産話を披露します。お楽しみに。

映像企画部門で優秀賞

2008-01-04 22:44:44 | 虚無僧日記
年末に、エルムの加藤さんから電話があった。
「NHKで、あなたの姿が映っていたわよ」と。
「はて?なんのことか」と思っていたら、NHK
カメラマンの小椋さんから賀状が届き、「昨年
1月に放映された映像が『写真記者協会・映像
企画部門の優秀賞』になった」と書かれていた。

丁度一年になる。一昨年の夏に名古屋駅前で
虚無僧していたらNHKカメラマンの小椋さんの
目に止まり、それから半年、綿密な取材を受け、
昨年の1月6日にニュース番組で放映されたのだ。
名古屋駅前で虚無僧している姿がである。あの
映像はたしかに良かった。反響もすごかった。
岐阜や三重、刈谷、瀬戸からわざわざ名古屋駅
前まで私を見にきて下さった方も。そしてあち
こちで「NHK見ましたよ」と声をかけられ、
地下鉄の駅員さんまでが「時々お見受けします
が、そんな偉い方とは存じませんで」と帽子を
脱いで挨拶された。

全然偉くない、ただの物乞い虚無僧なのに、NHKに
出たというだけで、講演の依頼も来るようになった。
NHKの威力はさすがである。
優秀賞になるだけ、あの映像は衝撃的だった。小椋
カメラマンの半年にわたる密着取材に裏打ちされた
内容の濃い映像だったからこそ、反響もすごかった
のだろう。小椋さんに万歳、感謝である。


トイレ掃除と宝くじ

2008-01-04 10:08:47 | 心の問題
松居和代の「トイレ掃除」がベストセラーとなった。
「トイレ掃除をしたら宝くじが当たった」という喜び
の声も多数?紹介されている。風水の伊藤夢さんも同じ
ようなことを言っている。「お金持ちになりたければ、
大金持ちのトイレを想像してみなさい」と。
真如苑でも朝起会でもトイレ掃除は大切とされている。
便器の中も素手で磨くのだ。「汚いと思う心が汚れて
いる。自分の心の穢れを落とす」と教えられる。

私もトイレ掃除には力を入れている。力入れすぎて
便座の蓋が割れてしまった。そんなわけで、
年末ジャンボ宝くじ、今年は当たるような気がして
10枚バラで買った。結果は。
10万円、3万円、1万円それぞれ番号一つ違い。
3,000円と300円が2枚当たった。600円のもうけ。
すごいことだ。「一桁違いで残念悔しい」と
思ったら幸福の女神は逃げてしまう。かすった
だけでもすごい。幸運の女神が着実に近づいて
きていると感謝である。



ウンがついた

2008-01-04 07:50:08 | 虚無僧日記
朝起会に行く道すがら、時たま犬の糞がある。
糞を踏んづけて糞害に憤慨するか、「ウン(運)が
付いた」と喜べるか試される。毎朝「今日一日腹
を立てず」とお誓いしているのだから。

オランダに行った時のこと。オランダ人は清教徒
が多いので、窓にカーテンが無い。「人に見られて
困るような悪いことはしていない」という証だそうだ。
家の中も実にきれいにしている。客人が来ると台所
まで案内する。レンジもピカピカに磨かれている。

ところが街を散歩して驚いた。犬の糞だらけ。花の
都パリでも、イタリアでもそうだという。犬の糞を
踏んづけた靴で家の中に入る。カーペットの上も土足。
そしてそこに座ったり、寝そべったりするから???で
ある。糞尿をことさら忌み嫌うのは日本人だけか。
いろいろ価値観の違いを学ばされる。

犬の糞をみつけたら「オーここはパリかミラノか」
と思えば、海外旅行した気分になれ、心ウキウキ。

隠れた名人

2008-01-04 07:27:55 | 虚無僧日記
1月3日岡崎の後藤邸での弾き初め会で。
石井さんの「ままの川」を聞いて感動した。
素直な、琴古流の手そのままで、品がいい。
ひかえ目で穏やかな人柄そのものの演奏に
感服した。
一宮の後藤さんは、まぁ賑やかな人だ。酒が
はいると「アルチューハイマー」のギャグを
飛ばすほどに饒舌となる。尺八家には珍しく
三絃も習い始めたとのこと。うまい。聞か
せるツボを心得ている。後藤氏が弾くと三
味線もいともカンタンにみえる。尺八の音も
すぱらしい。クラリネットのような響きが
ある。やはりこれも性格か。尺八は人柄が
出るから恐い。日ごろの言動が大切と知る。