おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

「格差社会」と「貧困たたき」

2016年09月14日 | Weblog

 

更新が遅れました、ごめんなさい。

午前7時の気温はプラス15度。

無風で穏やかですが、雲は低く垂れこめ、薄暗い朝なのです。

スカッとしませんなぁ、、、

猛烈な台風もまたまたニッポンに近づいておるという。

さわやかな秋晴れの日が戻ってくるのか来ないのか、どうにもよろしくない今年の秋なのでござる。

さて、

8月18日のNHKニュース7で、高校生らが貧困問題を話し合う神奈川県主催のイベントが放送されたという。

その場で母子家庭の女子高生が冷房がない、パソコンが買えない、進学をあきらめかけたという話をした。

NHKはその女子大生の自宅も取材しこれも放送したという。

そしたら、後日ネット上に「散財している」「冷房みたいなものが映像にうつっていた」「何度も映画を見ている」と、「貧困はNHKのねつ造」だと炎上したそうな。

そこへもってきて参議院議員の片山さつきはツイッターに「節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょう」などと、NHKに説明を求めたと投稿した。

また、「サイゾー」が運営するニュースサイト「ビジネスジャーナル」もNHKがヤラセで揺れているとの記事を配信。

実際には、NHK映像に冷房など映ってはいなかったし、サイゾーもNHKには取材もしていなかったという。

批判のコメントに便乗して、サイゾーはテキトーな記事を書いたわけだ。

貧困にあえぐ母子家庭の女子高生が、いわれなき誹謗中傷をされたということだ。

おぢは母一人、子一人の母子家庭に育ちましたゆえ、こういうのに無性に腹が立つ。

小学校時代、我が家の食卓ちゃぶ台には、ご飯と味噌汁、おかず1品があったり、なかったり。

おぢだけおかずがあり、母親はご飯とみそ汁だけってこともあった。

住まいは6畳1間の間借りで、トイレはもちろん共同でしたし、風呂は当然銭湯でした。

困ったことに貧乏でしたから、母親はおぢと何度も死のうとしたそうです。

危うく道連れになるとこでしたけど、幸い65歳のいまも元気ですし、母親は85歳で食べるものだけは不自由することなく天寿を全ういたしました。

両親のいる一般的な日本の家庭では、昭和34年の皇太子ご成婚を契機にテレビが一気に普及した。

おぢは8歳でしたけど、我が家にはもちろんラジオしかございません。

母子家庭の我が家にテレビというもんが鎮座したのは中学になってから。

6畳1間に間借りしておった母と子どもにとって、母親の月収の何倍かしたテレビは高嶺の花なのでした。

昭和39年の東京五輪、これをカラーで観たいと世間ではカラーテレビがバカ売れ!!

おかげで、いきなりお安くなった白黒テレビが、ようやく我が家に登場いたしました。

その昔、母子家庭が貧乏なのは、いまよりも女性に対する賃金差別があったため。

構造は多少変わりましたけど、現在は高度経済成長に支えられた当時より、明らかに社会の格差は広がりました。

世間の皆さんに夢と希望があった高度経済成長時代より、いまの方が母子家庭には厳しい生活環境かもしれません。

それをヤラセだとかなんとか大騒ぎするなんて、どうにもこうにも情けない。

格差社会の進行で、ニッポン人に余裕が無くなったのか、もしくは心まで貧困になったのか?

実は「貧困たたき」というのは、低成長の中で格差が拡大する先進国に共通する現象だそうな。

一億総中流と揶揄されましたけど、ニッポンにも豊かな時代がありました。

気が付けば、いまやアメリカもニッポンも中産階級が消滅し、わずかばかりの大金持ちと、貧乏人ばかりの社会だ。

そして「ビンボーがビンボーを批判して悦に入る」嫌~な感じの社会になったのです。

他人を思いやる気持ち、弱者を思いやる心など、どこかに忘れたかのようです。

先進国は、いつのまにか間違った方向に進んでしまったように思う。

さりとて、これからどこをどうしたらいいんだろ???

も少しバランスのいい社会にしないと、心がますます貧困になってしまう気がするけれど、どうよそのあたり。