中国統一をしていく様を簡単に書いているが、おそらく「史書」などを書き下した内容だと思う。ここに描かれている中国の権力をめぐる話は現代の処世訓としても示唆に富む。
なかでも説得することが難しいことを、韓非子の言葉を引用しよう。
「多弁を用いず簡略に話すときは、無知で知識が乏しいと軽じられ、古今の例証を数多く開陳すれば、口数が多く冗漫だとうとまれる。
そうかといって、古今の史実をひいてはばかるところなく意見を述べれば、身のほどをわきまえない横柄な世間知らずであると敵意を抱かれる。遊説が他人にうけいれらることがいかに困難であるかは、このような場合を考えればよく分かることである。」と人を説得することが難しいことを言っている。