心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

秘密の部屋

2012年04月13日 | 催眠療法



私達は、人から悪口を言われたり拒否されたりすることを

心のどこかで恐れていたりします。



しかし、誰ひとりとして

言葉を発するだけで人を悪者にしたり良い人にしたりする

魔法の力を持っている人はいませんから、

悪口を言われる前の自分と言われた後の自分は何一つ変わっていません。

その人は、ただ自分の考えを述べているだけに過ぎません。



誰かに拒否されることも同じです。

拒否することでその人の魅力を消滅させる魔法の力を持つ人は

誰一人としていません。

拒否される前の自分と拒否された後の自分の魅力は何一つ変わっていません。

その人は、ただ自分の気持ちを示しているに過ぎません。



つまり、私達は、誰かに悪口を言われようと拒否されようと

自分の胸の奥の真の部分は何一つ傷付いたり何かが欠けたりはしません。

起きていることは、その外側で起きていることになります。

それは、自分の部屋の中から窓の外を見て

雨を悲しんだり、雷を怖がったりしているようなもので

雨が降ろうと雷が鳴ろうと自分の身体が濡れたり傷付くことが無いのと同じです。



そのことをしっかりとイメージ出来るだけでも

誰かの言葉や態度に自分の心が大きく揺れ動くことが無くなります。

そこで、そのイメージを持つためのトレーニング法を一つご紹介。



まず、仰向けに寝ても良いですし、

座り心地の良いソファーやイスに腰をかけてもかまいません。

そして、ゆったりと呼吸をして気持ちを落ち着けます。

いくらか落ち着いたなあと感じたら目を閉じましょう。



そして、目の前に地下へと続く階段があるとイメージしましょう。

そして、その階段をゆっくりと降りて行きます。

(その階段の段数は特に決まっていません。)

階段をゆっくりと降りるにつれて気持ちがさらに落ち着いてきます。

しばらく降りていくと扉が見えてきます。



あなたは、その扉を開いて部屋の中に入りましょう。

その部屋の壁には綺麗な絵が飾られているかもしれません。

座り心地の良さそうな椅子、ソファー、またはベットがあるかもしれません。

重厚な木の机と本棚にはぎっしりと何かの本が並んでいるかもしれません。

あなたは自分が気に入るように自由に部屋の内装を作り替えることが出来ます。



あなたにとって落ち着ける部屋になったら

身体の感じを感じましょう。落ち着いた安心した気分を味わいましょう。

その部屋はあなたしか入ることが出来ません。

外の音も部屋の中には届きません。

さあ、その部屋に何か名前をつけましょう。

「秘密の部屋」「○○の部屋(自分の名前)」「静かな里」

何でも構いません。



それが出来たら、ゆっくりと深呼吸をして目を開けます。

そして、今作った部屋を自分の胸の奥に存在することを確認しましょう。

必要な時には、その部屋をイメージしてください。

慣れてくると直ぐにイメージすることが出来るようになりますし、

特に意識しなくとも常にその感覚を持てるようになります。


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見えない衣

2012年03月03日 | 催眠療法


東京での施療体験でのことになりますが、

ある日、初老の男性があることで相談に訪れました。

何でも数年前から外出先から帰宅すると、

玄関先で洋服を全部脱いで、すぐにお風呂に入り、

納得するまで身体をゴシゴシと洗うようになってしまっているとのことです。



このような自分の身体が凄く汚れてしまっていると言う

強迫観念を持つまでに心が混乱している方の場合、

今までの私の施療経験では、多くの施療期間を必要としますし、

多くの時間をかけると多くの人は解決しますとは

自信を持って言い切れません。



ですが、実際に解決した人もいることも事実で、

その中でも特に印象深かった人がその初老の男性でした。

初回カウンセリングは、話をお聞きし情報を集め、

催眠誘導をしてどの程度の催眠の反応性があるかどうかをチェックするのが

通常の流れなのですが、

その方の場合、催眠の初回誘導であるにもかかわらず、

催眠にどっぷりと没入するだけの反応性を示しました。



そして、次の施療の機会に

その方の催眠反応能力を利用しない手は無いなと思い、

催眠に深く誘導し、その方に見えない光の衣を身につけてもらいました。

そして、

「あなたを護る光の衣については覚醒しても全く覚えていないし、

気が付くこともないでしょう。ですが、

これからの人生においてずっとあなたを守り続けます。」

と暗示して覚醒。



このようなアプローチをしてはみたものの、

その時には、それで良くなるとの確信などなく、

その方の催眠反応がすこぶる良かったことから、

ものは試しでと言うのが正直なところです。



ところが、一週間後に来て頂いたその方はニコニコしながら、

前回のことは全く覚えていないのですが、

あれから外出先から帰宅しても普通に家に入るうことが出来、

その変わりように妻が驚いているとの話を聞くことになります。



私としてもとても嬉しかったのですが、

「そんなに簡単に変われるほど簡単な心の状態ではないはずだよなあ。」と、

心では思いながらも効果があったと本人から報告があったのですから、

ではと同じ誘導をし光の衣をさらに強化するアプローチ。



そして、次の施療は少し間を開けて2週間後に来て頂いても

変化がそのまま維持されているようなので、

話は強迫観念の話ではなくストレスを感じ始めた頃の話をして

誘導は同じ誘導をして、次は3週間後、そして、一カ月後として様子を見たのですが、

ずっと変化は維持されていたので

施療は一応の終わりとして様子を見て頂くことになりました。



今、思えば強迫観念が無くなったと言えども

その強迫観念を引き起こすまでになった元々のモノの見方や捉え方について

施療を引き続き行って行けば、

よりしっかりとした土台が築けたのではないかと思ってはいます。



心理療法は、どこまで行っても施療者の力だけではどうにもならず、

クライアントの力を貸してもらわなければ効果はあがりません。

この方の場合は、解決のために必要な殆どの部分を

その方の力でカバーしてもらった施療として忘れることが出来ません。


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好き嫌い

2011年12月19日 | 催眠療法



ある日、お母さんに連れられて当時小学2年生の男の子がやってきました。



「学校の方針で給食を残さずに食べなければならないんですが、

うちの子はピーマンが嫌いで、給食にピーマンが出てから、

今は、食べられるものも食べられなくなりつつあります。」



嫌いな食べ物を平気で食べられるようにするには、

一時的でもOKであるなら催眠に誘導出来さえすれば

全く問題なく可能なのですが、

一時的では意味が無く、さらに被験者が子供であるがゆえに

誘導が簡単に成功するか、全く駄目かの両極端な結果が出る可能性がありました。



催眠を誘導する前にあれこれと考えていても仕方が無いので、

まず、催眠誘導をしてみることにしました。

―あのさあ、○○君はTVゲームをしたことがある。

「うん。あるよ。」

―そうか、そしたら魔法使いが出てくるゲームがあるよね。

「うん。ある。」

―○○君は魔法使いっていると思う?

「分からないけど、いるかもしんない。」

―実は、私は少しだけ魔法を使えるんだよね。

「え~。」(ここで初めて笑顔を見せてくれる。)

―今からさあ、○○君にその魔法をかけたいと思っているんだけど、
 
良いかなあ。

「どんな魔法?」

―うん。○○君の右手が軽くなって勝手に上に浮きあがってしまう魔法だよ。

恐くない?

「大丈夫、面白そう。」

―それじゃ、最初に○○君の右手を下から少し持ち上げるよ。

こうしていると私の手のぬくもりを感じるでしょう。

「うん。」

―それじゃ、眼を閉じて、

魔法をかけると手がもっと温かくなって来るよ。

ほら温かくなってきたでしょう?

「うん。なってきた。」(笑っている。)

―次の魔法をかけると、ほら、右手が勝手に上の方に動き出すよ。


これ以降、良い流れで充分な催眠トランスへと導入することに成功しました。

後は、変化を一時的なものではなく継続的、恒久的なものにするための

一工夫となります。



以前の記事で紹介した

ネギ嫌いの克服の時と同じ手法は子供ですから使えませんので、

子供にとって無理のない自然な働きかけとなるよう別の一工夫を施しました。



これは初回面接での一コマで、

施療終了後、お母さんには1週間後の次の施療の予約をして頂きました。

数日後、お母さんから

「あれから次の日に学校とも相談して対応をしてくれることになったんですが、

本人が給食を食べているようなので、

次回の予約はキャンセルして様子を見ることにしようと思います。」

との電話を頂きました。



施療が功を奏したのか、学校が対策を考えるとしたことで本人が安心したのか、

両方の相乗効果なのか分かりませんが、

本人がある段階を乗り越えたのは間違いないようです。



その後、お母さんからの連絡はありませんが、

そのことが、変化が継続的なものとなっている証であると信じてはいるのですが、

ちょっとだけ心配なのは、

「私は子供の頃、本当の魔法使いに出会った。」なんて記憶してしまって

魔法使いを研究にのめり込む様な事になったりすること。

まさかねえ。

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観覧車

2011年11月29日 | 催眠療法



「一度でも良いから子供と遊園地に行き、

一緒に観覧車や色々な乗り物に乗って思い出を作りたい。」



この依頼人の願いを催眠で叶えてあげようと、

TV番組「時間銀行」からの依頼がありました。



この方は、歩道橋も駄目、ビルの3階になるとクラクラで、

観覧車に乗る何てことは到底不可能です。



さて、そんな方でもある程度の催眠に誘導出来ると

観覧車に乗ることは問題無く可能なのですが、

「一度でも」に私の挑戦意欲が刺激され、

それなら一度のセッションで、高所恐怖を恒久的に解決してやろうと

勝手に自分目標を心の中で定めて挑むことにしました。


観覧車を前にして、

―高い所に自分がいることを自覚した時に

とても恐ろしいと感じるとのことですが。―


「はい。恐さで身がすくみ、頭がクラクラします。」


―なるほど。身がすくむような恐さを感じ、頭がクラクラさせるために、

あなたは、自分の頭の中でどのようなことを創り上げていますか。―


「頭の中ですか。。。観覧車が崩れ落ちて一緒に自分も落ちていく。」


―なるほど。ところで全国には観覧車が沢山ありますが、

何処かの観覧車が崩れ落ちたというニュースは聞いたことがありますか。


「いえ、全くありません。」


―それは、何故だと思いますか。


「しっかりと設計され、しっかりと造られているのと、

定期点検などで部品の補修、交換などをしているからだと思います。」


―そのような観覧車が崩れ落ちると思いますか。


「いえ、そんなことはあり得ないと思います。」


―思います?―


「いえ、有り得ません。」


―あなたの目の前に、あなたがこれから乗る大きな観覧車がありますが、

この観覧車は他の観覧車と違うと思いますか。


「いえ、同じです。崩れ落ちることはありません。」


―それは本当に間違い無いですか。


「はい、間違いありません。」


―ということは、この観覧車は安全な乗り物ということになりますが。

どうでしょうか。


「はい、安全な乗り物です。」



ここで催眠誘導、

催眠誘導はスムーズにある程度のレベルまで誘導。

ここまで来ると、後は上の内容を暗示で強化するだけです。



結果は、言うまでもありません。

その方は観覧車を子供と一緒に凄く楽しみ、

モニターにもその方の笑顔がハッキリと映し出されていました。



ディレクターから催眠を解いてくださいとの指示が。

番組的には成功ですが、

私的には自分で勝手に決めた目標を達成するにはまだこれからです。



催眠を解く時に、ある一工夫して催眠を解きます。

この一工夫で完璧と言えるかどうかは分かりません。

しかし、私が立てた目標を達成するには出来ることはやっておく必要はあります。



結果は、その方は催眠を解除した後も、

数時間の間、今まで乗ったことが無い、自分では乗るはずもない乗り物に

自分が乗り越えたことを確かめるように、

子供を誘って次々に乗って楽しんでいました。



そして、数週間後、TVの関係者からご報告を頂き、

その後も苦手だったビルや歩道橋も平気な状態が続いているとのこと。



人は、急激な変化が起きた時にそれを良しとせずに、

元の状態、もしくは無理のない所にまで戻ろうとすることがあります。

それを防ぐために、変化を起こすだけではなく、

元に戻らなくても良いんだと思えるように何かを付け加える必要があります。



私が催眠を解く時にした一工夫がそれで、

それによる効果か、数週間後もその方が起こした変化が持続しているようです。

理屈上は、それ以降も変化は持続し、その変化が変化で無くなり

通常の状態となって行ってもおかしくないのですが、

正直なところ、人の気持ちは複雑で理屈どおりになるかどうかは断言できません。



数週間はOKでも、数か月後もOKなのか、数年後もOKなのか、

施療の場合には、このような揺らぎがあった場合には、

その原因を探り、修正、もしくは新たなアプローチをすることで

変化をより強固なものへとしていくことになります。



ただ、その方がずっと長く今の状態を維持するだけでなく、

その先へと踏み出してもらえれば最高です。


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鳥が怖い

2011年11月23日 | 催眠療法


以前、鳥への恐怖を克服したいと相談に来られて方がいました。


外で鳥が近づいてくると座り込んでしまうほど恐く感じるとのことで、

公園にも行くことが出来ないし、

ペットとして飼われている籠の中にいる鳥でさえも

眼にすると恐いとまでいかないまでも身構えてしまうとのこと。



このような場合、

過去の恐怖体験が原因となっているか、

そのものが真の恐怖の対象ではなく何かの象徴となっていることが多くあります。



カウンセリングで原初恐怖体験について思い出すことが出来ませんでしたので、

催眠の許可を頂き、探ってみると3歳位の頃に

両親と公園のような所で鳥(鳩?)に餌をやっていると

びっくりするような数が群がってきて、

数羽が頭にとまったり、腕にとまった恐怖体験に行き着きました。



この体験が、その方の鳥への恐怖の始まりの可能性が高かいと感じたので、

これを打ち破ることにしました。

子供の自分が感じている全ての恐怖と子供の自分をその椅子に置いたままにして、

立ちあがり、隣の椅子に大人の自分が座ってください。



今、まだ小さく幼い頃の自分が鳥に囲まれて恐がっています。

まだ小さくて幼い子供にとっては酷く恐ろしい出来事なのだと思いますが、

今、大人の自分がその様子を見て、どの様に思いますか。

それほど恐ろしい出来事だと思えるでしょうか。


「いいえ、そうは思えません。」

「では、どの様に思えますか。」

「楽しくもあり、煩わしくもあり、まいったなと感じるとは思いますが、

恐いとは感じません。」

「大丈夫ですか。」

「はい。」

「では、それをまだ小さくて幼い子供のあなたに伝えてあげて欲しいのです。

もう身体も充分に大きく成長し、力も強くなっていることを伝えてあげて下さい。」



今の椅子から立ち上がり、子供の自分と大人の自分が一つに重なりましょう。

丁度、子供の頃のあなたの中に大人の自分が入りこむような感じで、

そして、大人の自分が今感じている感覚を伝えてあげてください。

しっかりと伝え、重なったまま一緒にその場面を体験しましょう。


「どうでしょうか。

先程は酷く恐れていましたが、今はどんな感じでしょうか。」

「さっきとは全く違った感じです。恐さはありません。」

「子供のあなたに言ってあげたいことを言ってあげて下さい。」

「もう大丈夫。安心しても良いよ。」



強烈な感情を伴う体験をすると、

それは大切な学びとして深く心に記憶することになります。


通常は、その後の自分の身体の成長や新しい経験や知識を得たものを

徐々に落とし込み反応パターンが変化していくのですが、

何らかの理由でより新しいものへの変更が成されない場合、

(パソコンで言うとアップデートが成されないと)

その当時の、その時の反応を繰り返すことになります。



A(出来事)+B(条件)=C(感情)とした場合、

Aは同じでも、Bが変われば、Cも変わります。

Bを変える方法は、色々とありますが、

今回の場合は、催眠を用いてBを変えるアプローチを取りました。



その後、この方から

鳥が好きだと感じたり、可愛いとは思えないけれども、

以前のような怖い感じが無くなったとの連絡を頂きました。


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探し物

2011年09月17日 | 催眠療法


他の催眠療法をされている方はどうなのでしょう。
私は、これまで東京での施療で2件の
探し物の相談を件受けたことがあります。

一件は、会社の大切な書類を無くしてしまった。
3日前の休みの前日に書類を持ったまま同僚と飲みに、
しこたま飲んで朝、家で目が覚めた時に
書類が無くなっていることに気が付いた。

同僚曰く、別れる時には書類を持っていたとのこと。

催眠誘導開始、深く催眠状態に導くことに成功。
催眠で記憶を辿ってみる。
それで分かったことはと言うと、

同僚と別れた後に単独でもう一軒、
そのお店を出た時には足元がおぼつかない状態であったこと、
しかし、右手には書類を持っていた。

そこから、どこを歩いたのかハッキリと判明せず、
しばらく歩いて、タクシーに乗る。
家の近くでタクシーを降り、
気が付けば公園のベンチで寝ていたが
朝方、歩いて家に帰宅。

タクシーに乗った時には持っていたようですが、
公園から自宅までの道のりでは書類がもうなかった。
「あっ、ここで書類を手放した。」
と言うようなハッキリとした結果ではなく、
このようなぼやけた結果しか得られませんでした。

手当たりしだいタクシー会社に問い合わせてみるとは言っていましたが、
その後、どうなったのか。

もう一件のケースは、
自宅での結婚指輪紛失事件。

大切な結婚指輪を無くしたことをご主人には言えず、
ご主人には内緒で相談に。

話を聞いてみると場所は家であることは間違いないようで、
その日にちも分かっているとのこと。
原因は、うっかりどこかにおいてしまった。

何故、こんなことが起きたのか、
無意識に結婚生活に解決していない問題があるのかも、
それについても解決をした方がとか思いながらも、

催眠誘導開始、深く催眠誘導に導くことに成功。

指輪が無い時が付いた時点からゆっくりと過去へと戻ってみる。
その時の行動は大まかな記憶を引き出すことには成功したけれども、
「あっ、ここで指輪をはずして置いたままにした。」
とハッキリとしたものが得られず、

今度は指輪をはめていた指の記憶にメッセージをもらうことにする。

本人にはゆっくりと場面を振り返ってもらい、
指輪の感覚が無くなった場面に来た時に、
腕浮揚(腕が自分の意志とは関係なく浮き上がる現象。)で
合図をするように暗示する。

すると洗面所の場面で腕が反応を示す。
何度か確かめるが同じ場面に来たら腕が反応を示す。
ただ、本人の記憶では、
「あっ、ここだ。」のハッキリとした確信が取れない。

そして、その洗面所には指輪がないことは確認済み、
もし、そこだとすると考えられるのは、
排水溝に落ちてしまったのか、
御主人が気が付いて別の所にしまったのだとすると、
勇気を出してご主人に聞いてみるしかありません。

このケースもぼんやりとした結果しか得られませんでした。
被験者はどちらの方も催眠には十分没入していたので、
もっと上手いやり方があったのかもしれません。

最初の方は意識が酩酊状態での紛失。
後の方は、他のことを考えていた中での紛失。
後者の方は、もっとハッキリと答えが出せるように思ったのですが、

心の問題や悩みに関する場合の記憶は、
その時、感情がハッキリと動いていますから
ハッキリとした結果を出しやすいのですが、

感情が大きく動いてないと思われる記憶についても
誘導の仕方で同じ結果を出せると信じるのは、
それは私の催眠への過大評価なのでしょうか。

それとも誘導の仕方で違った結果を出せたのでしょうか。
だとしたら何が足らなかったのだろうか。

他の催眠療法をやっている人はどうなのでしょう。

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寝不足

2011年09月10日 | 催眠療法


明日は久しぶりのゴルフ!
明日は、待ちに待った遠足だ!
明日は、好きなあの人と早朝からのデート!

今日は早めに寝て、しっかりと起きてと思っても
いざ、寝ようとしてもなかなか寝付かれません。

「あれ、もうこんな時間、やばいぞ、早く寝なくては。」

と思えば思うほど眼が冴えて来て余計に眠れなくなって、
ウトウトし始めたと思ったら、何処かで鶏の声が。

こんな経験を誰しも一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか。

この眠りたいのに眠れない。
この原因は皆さんも知っての通り自分の高ぶった気持ちを静まらせないまま
寝ようとしたことが原因です。

不眠症にも色々とありますが、
眠りが浅い、寝つきが悪い、充分な時間眠れない等の
その主な原因は上のようなことと同じ原理です。

嬉しさや楽しさのポジティブな気持ちが静まらない。
心配事や不安等、ネガティブな気持ちが静まらない。

このような精神の活動が活発なままでは
眠りに入ることを困難にします。

睡眠に入るためだけでなく、
充分な深さと十分な時間を得るためには
精神の活動を活発にしている気持ちに焦点を当てることを
止めればいいのですが、
個人の取り組みではそう簡単にはいかない場合があり、
そんな時に不眠症として相談に訪れる方がいます。

不眠症の解決の方法としては、
寝床で気持ちを高ぶらせている原因を調べ、
それを解決するというのが王道なのですが、

その程度によりけりですが、
案外有効なのが催眠暗示によるアプローチです。

睡眠を邪魔しているものを取り除くことを主眼にするのではなく、
人間が当たり前に持った睡眠の能力に焦点を当てて、
それを働かすよう誘導することでテキメンに効果が表れることがあります。

不眠症の解決を主とした相談は、今のところそう多くはないですが、
東京でも神戸でもこのアプローチだけで成功するケースは多くあります。

もちろん、その後で必要であるなら
睡眠を邪魔していた心の動きについてアプローチをするといった感じです。

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催眠状態

2011年08月03日 | 催眠療法


私が被験者を催眠に誘導する場合なんですが、
被験者が催眠状態に充分達しているかどうかを知るために、
また、被験者自身が催眠状態にあることを自覚してもらうためにも
次のような誘導を良くします。

「目を開けることが出来ない。」
「腕を曲げることが出来ない。」
「立ち上がることが出来ない。」
「名前が言えない。」

等々、その他にも色々とありますが、
本人が何々をしようとしても、それが出来ない。

被験者が催眠状態にある時、
催眠誘導者からのこのような働きかけに対して
反応するのが普通で、このような働きかけを誰が名付けたのか
拮抗暗示というようです。

広い意味での催眠として考えると、
「腕が軽くなって浮き上がっていく。」「身体が揺れ動く。」
とかの反応もまた催眠反応と言えるのですが、

私の場合は、このような反応を得られたとしても
被験者が催眠状態にあるとは判断せず、
拮抗暗示に反応が起きるレベルに達した時に、
催眠状態にあると判断するようにしています。


さて、催眠状態であるとか催眠トランス状態であるとか
言い方はいろいろあるかと思いますが、
そのような状態になった時の人の精神状態とは
どの様な状態であるのか。

これについては、
「全く意識が無くなっている。」とか、
「眠ってしまっている。」とか、
まだまだ、そのような印象を持っている方がいるようです。

しかし、実際に体験してみると
一体何が違っているのか全く分からないほど
拍子抜けするほど普段の意識レベルと同じで
本人には全く違いが分からなかったりします。

そして、さらに言うと
拮抗暗示に反応を起こしていたとしても、
それを実際に試してみなければ
今、自分がその反応を起こしていることを
気が付かないことも多くあります。

「目が開きそうな気がする。」
「腕が曲がりそうな気がする。」
「起き上がれそうな気がする。」

だから、眼が開いたら、腕が曲がったら、起き上がれたら、
誘導者に申し訳ないと遠慮してしまったり、
もし、眼が開いたら、腕が曲がったら、起き上がれてしまったら、
自分の催眠体験がおじゃんになってしまうのではと、
試すことに躊躇してしまう方もいるほどです。

ですが、被験者がそのように感じていたとしても
誘導者の言葉に反応をした身体は、実際にそれを試そうとした時、
1の力でそれをやろうとすると、
無意識は1以上の力で、それを阻もうとします。

5の力でそれをやろうとすると
無意識は5以上の力で、それを阻もうとします。

そのあたりで本気になった被験者が
10の力でそれをやろうとしても、
無意識が10以上の力で、それを阻んだとき、
初めて自分が催眠を体験していることに気が付いたりします。

ゆえに、決して少なくない例として、
長く慣れ親しんだ自分の名前を完全に思い出せなくなっている人に、

「今、あなたは催眠を体験していると思いますか。」
と質問した時に、

「いいえ。」と返事が返ってきたりします。

「自分の名前が思い出せない、それは間違いありませんね。」

「はい。」

「それでも催眠を体験していないと。」

「はい、だって意識がハッキリしていますから。」

これも催眠を初めて経験する方としては仕方ない反応なのですが、
被験者に迷いや疑問があるままでは、
催眠に深く没入することを邪魔することになったりして、
あまり宜しくありませんので、
それを取り除いておく必要があります。

「普段でも良く自分の名前を忘れることが有るのですか。」
と質問すると、当然、返って来る答えは、

「いいえ、そんなことは今までありません。」となり、

「では、自分の名前が思い出せないような普段とは違う
変な状態になっているのは分かりますか。」

「はい。」

「そのようなおかしな状態を催眠状態と言うのか、
言わないのかは重要ではありません。
大切なのは、そのようなおかしな自分の状態を安心して楽しんでもらうことです。
今の自分を楽しめそうですか。」

「はい。」

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インパクト

2011年03月06日 | 催眠療法




最近は催眠を取り上げる番組が

一時期ほど多くないようですが、

私が東京クリア研究所でお世話になっていた頃の10数年間は、

催眠を取り上げて頂ける番組も多く、

仲山和輝氏にTV局からの出演依頼が頻繁にありました。



そして、番組打ち合わせのために

クリア研究所に尋ねて来られていたのですが、

殆どの制作スタッフが番組を面白いものにするために

催眠をより理解するために、

自身が催眠を体験しておきたいと要望があり、

その全てに催眠誘導を成功することが出来たのですが、



その中のある番組のスタッフが、

私の誘導で催眠を体験し終えた後、

ついでにと個人的な要望がありました。



「私は昔からネギが食べられないんです。催眠で食べられるようにして欲しい。」

と準備よろしくネギを取り出してきました。



この方は充分な催眠状態に至る人でしたので、

このような要望を叶えることは催眠的には問題はありません。



再度催眠に誘導し、ネギに対する誘導をすると、

「あれ、おかしいぞ。ネギが美味しい。」

と言って確かめるようにムシャムシャと丸かじりです。



催眠術的にはこれで十分目的を達成しているのですが、

得られた変化を恒久的なものにすることを目的にする

催眠療法的にはこれだけでは不十分です。



と言うのも、そのスタッフの反応からこの事実は、

催眠の力によるものだと思っているのが見て取れました。



このような場合は、人によっても違うのですが、

その変化した状態が何時間か何日か経過すると

元に戻ってしまう可能性があります。



つまり、ネギが美味しく食べられている状態がおかしな状態で、

ネギが変な味がする状態が通常の状態だと信じている訳です。



人は、心に信じていることが現実になります。



自分が駄目な奴だと信じていると

自分を高める行動を取ることが少ないですし、

例え良い結果を得られたとしても

「こんな結果しか出せなかった。」とか、「こんなことはたまたまだ。」と、

自らに難癖をつけてしまい自己イメージの変革に結びつかず、

自分がイメージする駄目な人の行動や態度を

とり続けてしまうようなものです。



ですから、そのスタッフの心が固く信じていること、

「ネギは変な味がするものだ。」に疑問や迷いを生じさせ、

新しい価値観が入り込む余地を生じさせるために

一工夫を追加しました。





「今、ネギを美味しいと感じるのは

変だと思っているのではありませんか。

美味しいのは催眠の力によるものだと。」


スタッフ

「だって、そうなんでしょう。」




「催眠とは関係なくネギを美味しく食べている他の人がいますよね。

その人達は、何故ネギを美味しく食べれているのでしょう。

それは、今あなたが感じている味と

同じような味を感じているからだと思いませんか。」


スタッフ

「そう言えばそうだと思います。そうですよね。」




「つまり、今までのあなたが感じていた味こそが、

ネギは不味いと自分に催眠をかけていたとは思えませんか。

そして、今ネギが美味しいと感じているのは、

実は今までの自分に自分がかけていた催眠が

解けている状態だとは思えませんか。」


スタッフ

「えっ!」



10日後、TV局に番組収録で訪問した時にそのスタッフから報告。

「あれ以来、ネギが美味しいままなんです。」


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リラックス

2011年01月15日 | 催眠療法




催眠的にリラックスするという事は、

ただ単にのんびりと寛ぐことの意味とは違って、

意識の活動を収めていき

無意識の活動に自分をゆだねた状態になることです。



倫理観、道徳観、後天的に学び取った

何かの価値観からも自分を自由にして、

心を開放した状態まで達すれば最高で、

禅のことを詳しく勉強した訳ではありませんが、

目指す所は共通しているのではないかと私は勝手に思っています。



この状態に達するための方法の一つとして、

全身の力を抜いて内なる感覚に気持ちを向けます。



この時、被験者以外の者がその様子を見ると

眠っているようにも見えることから眠りを催すものとして、

催眠という呼び名が付いたと言われています。



他にも面白いやり方があって、

椅子に座っても良いのですが出来れば寝転がって、

全身の力を抜き、意識の活動を収めるまでは同じですが、

ここからは、身体が求めるままに身を任せていきます。



どう言う意味なのかと言うと、

身体を横たえ全身の力を抜いたままじっとしたままでいるのではなく、

そのような状態でしばらくいると、

身体が動くことを求めて身体の感覚で伝えてきます。



それは、右腕や右肘がほんの少し曲げることを

求めてくるかもしれませんし、

左足が、左膝が大きく動くことを求めてくるかもしれません。

それらを制御せずに身体が求めるままに動くことを許します。



これもまた体験者がクネクネと身体を動かしているのを

体験者以外の人が見ると、

ただのだらしない人のようにも見えますが、

15分~30分程度でも行うと

心身をリフレッシュすることが出来ます。


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