この有名な話を
素直な気持ちで聞くと
人を動かすためには
強引(厳しく、強く)なやり方よりも
暖かく優しく、その人が自ら行動する(せざるえない)ように
働きかける方が有効だ。
で良いのかと思います。
催眠で言うと、
北風は、直接暗示。太陽は、間接暗示と言う所でしょうか。
ちょっと話がズレましたが。。。
話を戻して、上の動画でも
何となく北風は悪役で
太陽は善玉な立ち位置で描かれています。
このような役どころの設定は
作者が伝えようとする教訓を
より強化する効果があります。
ですが―――、
ここでちょっと捻くれたモノの見方をしてみると
北風と太陽は、
たまたま通りかかった旅人の承諾を得ることなく
そればかりか旅人に気づかれないように
どちらが優れているのかの
ゲームをしていて、
それによって
旅人が、酷く寒い目にあったり、
水の中に飛び込まなければ辛抱できないほどの
暑い目にあったりとなるのですから、
旅人は被害者で、
北風と太陽は、あきらかに加害者でしかないような気が。。。
私達が旅人の立場であって
北風と太陽の存在に
気付いたとしたら
「おどりゃあ―――!ふざけんな―――!
お前らちょっとこっちにこい!さっさと降りてこいや!
ええから、ここに正座しろ!さっさと正座せんかあ!
あ~ん。お前ら何処のどいつや!どこのどいつや!」
「北の方。。。シベリア。。。」
「水星のもうちょっと向こう。。。」
「お前らええ大人やろ!
ええ大人が何さらしてけつかんねええええ!
謝れ!地面に額こすりつけて謝れちゅうんや!おお――!」
てな感じで
叱りつける人がいてもおかしくないような気がします。
となると、
この話の教訓は、
『人に迷惑をかけないようにしましょう。』
と読み解く人がいてもおかしくないように思います。
また、
上の動画は、
北風の方から、太陽に勝負を持ち掛け、
しかも、
わざわざ自らが不利な勝負を提案することで
太陽は、
賢者であり、
北風は、
悪者、ノータリン、DQN的な印象付けをすることで、
太陽のアプローチの正しさをより強化しています。
ですが、
違う形では、
旅人の服を脱がす提案をしたのは
北風ではなく太陽の方で、
太陽が提案した勝負方法に
むざむざと乗ってしまった
北風が、
負けてしまう話の流れもあるようです。
この場合、
太陽は、ずる賢い策略家で
北風は、
騙されたとか、哀れであるとか、
愚かなとか、素直で疑うことを知らない奴とかの
印象へと変わるのではないでしょうか。
このように
ちょっとした視点の違いや
設定の違いで
北風と太陽の印象が随分と変わってしまいます。
現実の世界でも
被害者であったはずの人が
実は加害者であったり、
加害者であったはずの人が、
実は、被害者であったり、
相当な被害を受けたはずだったものが
そうでもなかったり、
相当な被害を与えたはずだったものが
そうでもなかったりと
その人が
話す肉付けや設定の仕方によって
その印象は変化していきます。
また、
素直な気持ちで読み解いた
北風と太陽の話しの教訓、
『人に何かをさせたい時に
一番有効でかつ強力なのは、
本人が自らそうしたくなる(そうせざる得ない)ようにする。」
は、
働きかける方に
暖かさや優しさの奥に
利己的さ、冷酷さ、残忍さ、
残酷さがある場合には、
働きかけられた方は、
手ひどい目にあうことになります。
融資を求めるあまりに
必要でない高額な買い物やリスクの高い契約を
別にさせられてしまったり、
ナチス政権が強制収容所のスローガンとして用いた
【ARBEIT MACHT FREI】
働けば自由になれる
もその一つかと。。。
太陽アプローチは、
よく言われる包丁の例えのように
使う人によって便利な道具にもなるし
凶器にもなる一面を持っています。
その他にも色々と欠点もあるので
太陽アプローチは、素晴らしいものではあるけれども
妄信し絶対化し、
その信者になるようなことは避けた方が
いいかと思うのです。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計