2004年 アメリカ/テネシー州の道路脇に展示されていた裸婦像が、
艶めかしいと住民から苦情が寄せられたことで腰巻が付けられました。
ところが、そのことによって逆に男性ドライバーの眼を引き付けてしまい
わき見運転の増加や車を停車して裸婦像の下から覗き込む人が出現したそうです。
西洋の芸術作品として多くの裸婦画や裸像が
世界の美術館に展示されていますが、
元々は、お金持ちがエロ目線で描かせたものも
少なくないと聞きます。
なので車を停車してまで覗こうとするドライバー達の行動は、
なんら、なんら責められるものではなく、
寧ろ微笑ましい行動なのです。はい。
これが裸婦像ではなくて普通の女性だったら
言うまでもなく犯罪になるので
そこまで大胆に覗く人はいないと思いますが、
世の中には色々な人がいて覗くことが目的では無くて、
「この変態野郎!」と、
なじられることで快感を得ている人もいるのでご注意を。
定期的に警戒をしていない人の裸や衣服を脱ぐ行為、
性行為を行っているのを見たい衝動に駆られて
実際に盗撮やのぞき行動してしまう人については、
刑法上は、当然犯罪行為であり、犯罪行為を止められない人を、
窃視症と言います。(平たく言えば覗き魔です。)
これは、上の様な衝動や行為そのものが心の病と言うのではありません。
奈良公園の鹿がミニスカートの中に頭を突っ込んで
女性のスカートがめくれ上がったというような
偶発的なものに反応してしまっても何の問題もありません。
意図して、そして、定期的に、そして、最後の一番重要なこと、
自分の行為によって誰かを嫌な気持ちにしているかどうかになります。
つまり、問題となるのは、
自分に覗きたい衝動や気持ちが有ることではなくて、
自己中心的過ぎる行為が問題となります。
相手が知られたくないこと、見られたくない部分を
相手の同意なく知ろうとしたり、見ようとする行為は、
相手を蹂躙する行為なので、征服欲と関係があるかもしれません。
相手を蹂躙したい気持ちと強い征服欲が生まれるのは、
本人の自己否定、劣等感、昇華されていない恨みの気持ちが
心の底に存在している可能性もありますし、
行為をする時の張り詰めたドキドキ感を求めてしまう
依存症的な行為となっている可能性もあります。
それらを改善するには、上の様な点について
本人が真剣に向き合うことが何よりも大切なことになりますが、
通常の心の問題は苦痛や辛いので
問題に真剣に向きあってくれる人も多くいますが、
窃視症の方の場合、問題に伴うのが快楽や快感となっているので
本人が問題と真剣に向き合ってくれることが遥かに少なくなります。
なので、解決法としてスマートではありませんが、
その行為に自然とブレーキがかかるようになるだけの
トラウマを経験してもらうことが現実的かと思われます。
例えばですが、
そのような行為を発見した周りの人達に
やり過ぎない程度にボコボコにされるとか、
その場で衣服をはぎ取られたり……
でも、その場合、制裁(改善の手助け)をした人たちが
犯罪になる可能性があるので、
現実的なのは、やはり犯人逮捕ということになります。
薬物依存症の方と同じように、
一度の逮捕で行動が改善されるとは限りませんが、
逮捕は、罰を与える意味合いよりも
本人の改善のための意味合いで必要かと思います。
さてですが、アメリカ/テネシー州の裸婦像の横に、
「決して覗かないで下さい!」
なんて看板を立てたりしないことを祈ります。
この穴を覗くべからずと同じで一層大変なことになりますから。