心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

㉒被験者の協力

2018年12月08日 | 催眠誘導

今更ですが、他者催眠による催眠体験は、

催眠誘導者の心理誘導によって

被験者にもたらされるものであって

妖術や魔法によってもたらされるものではありません。

 

妖術や魔法ではないので、

催眠を誘導する者が、怪しげな呪文を唱えたり、

「いえ~い!」と奇声を発したとしても

それにはあまり意味がありません。


威光暗示として用いて

何らかの効果を上げることがあるので、

ここでは無意味とするのではなく

あまり意味がと書かせてもらいました。


催眠誘導は、妖術や魔法ではなく

心理誘導なので催眠誘導を成功させるためには、

被験者の協力が必要になります。


一番重要な協力は、

被験者が催眠体験を了承してくれることであり、

そして、被験者が催眠体験を求めてくれることです。


その大前提があった次に、

催眠体験に重要だとされている

リラックスと意識集中とイメージへの

催眠誘導者の働きかけへの協力が求められます。


これらの協力については、

難しいことでは無く、

呼吸のリズムを整え、リラックスをして

誘導者の言葉を素直に受け入れるだけです。


誘導者は、リラックスしましょうと

協力を求めることも出来ますが、

それではハードルが少し高いかもしれないので、

身体の力を抜きましょうとか、

お腹でゆったりと呼吸をしましょうとか、

被験者がリラックス出来るイメージについて

語りかけるかも知れません。


被験者は最高レベルの力の抜き方を

達成する必要はなく、

その時の状態から1ランク分でも力が抜ければ

被験者は十分な協力をしたことになりますし、

 

そうしていると次第に身体の力が抜けて

少し前の自分の身体の感覚とは

違ってきていることに気が付くかもしれません。

と誘導者から話しかけられたら、

その違う感覚を感じてみることが協力です。


そして、

身体から力を抜くことが難しいようなら、

そのことを誘導者に伝えてあげることも

協力の一つです。


お腹で呼吸をすることが難しい場合には、

椅子ではなく、マットかベットのような柔らかな上に

ゴロンと仰向けになるだけで

自然とお腹で呼吸を行うことが出来ます。


そして、

「今あなたは、お腹でゆったりと呼吸を繰り返しています。」

と、誘導者が話しかけたのであれば、

その自分の呼吸を感じることが協力となります。


誘導者は、緊張してガチガチの状態の被験者に

身体の力が抜けていると言うことも、

緊張がほどけず胸で呼吸をしている被験者に、

お腹でゆったりと呼吸をしていると言うはずもなく、

被験者の状態を描写しているだけなので、

簡単に協力は出来るはずです。

 

催眠状態は、特別で特殊なものだと考えがちで、

そのための協力もまた難しく考えてしまい、

催眠誘導者がハイレベルの状態を求めていないのに、

こんな力の抜き方では駄目だとか、

こんな呼吸の仕方では不十分だとか、

被験者自身が協力のハードルを上げて

催眠体験を難しくする被験者も少なくありません。


これは自分が好意を持っている相手から

好きだと告白されているのに

いやこんな私は好きになってもらうに値しないと

告白を拒否するような訳の分からない行為と

似ているようにも思えます。


もっと力を抜かなければ、

もっと呼吸を整えなければ、

もっと集中をしなければ、

もっと気持ちを落ち着かせなければ、

もっと上手にイメージをしなければ。。。

 

それらは誘導者が被験者に求めている協力ではなく、

頑張りの領域に入ります。


誘導者は、被験者に自然で無理のないことを提示し、

段階的に被験者を催眠状態に導いていきます。

 

被験者は、馬鹿馬鹿しい位に

自然でシンプルな誘導者からの提示を

そのまま受け入れてもらうことで

自然と催眠状態へと至ります。

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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