心の扉 神戸カウンセリング花時計

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琴ノ浦 温山荘園

2019年05月25日 | 名所巡り(和歌山)

根来寺の拝観を終えて次に訪れたのは、

和歌山県海南市にある国指定名勝の琴ノ浦 温山荘園です。

 

琴の浦 温山荘園は、

明治21年に日本で初めて動力伝導用革ベルトを製作し、

世界有数のベルトメーカーとなった

新田帯革製造所(現ニッタ株式会社)の

創業者 新田長次郎翁により大正初期より造園されました。

 

潮入式池泉回遊庭園で、主屋を中心にして

海から水を引くことで潮の干満に応じて

水位が上下するという汐入の池が3つ配されていて、

その池の周囲には茶室や座敷があり、

庭園の面積は、日本全国で17位、

個人庭園としては日本最大の庭園です。

 

 

 

琴ノ浦 温山荘園【国指定 名勝庭園】

正門【重要文化財 附指定】

 

洋風のコンクリート造りの門柱に鉄扉の正門の横に

拝観受付所があります。

 

平成22年に文化庁より国指定名勝を受け、

建造物は重要文化財に指定されました。

私達が拝観受付を終えると、庭園の管理責任者が有難いことに

私達の庭園のガイドをしてくれました。

 

 

 

園路

 

現在の琴の浦 温山荘園の敷地面積は、18000坪で、

作庭当時の敷地面積は、50,000坪だったようです。

 

50,000坪の敷地を要した琴の浦 温山荘園は、

紀州の名園として名高くなり、

しばしば皇族や政府高官が訪れていたようです。

 

正門から主屋、潮入式池泉回遊庭園までの

静かで長い園路が期待を高まらせてくれます。

 

 

 

新田長次郎翁銅像

 

この方は、事業の成功者というだけでなく

社会貢献も沢山しているようで、

昔の方にはそのような人が多かったような印象があります。

 

最近、社会貢献どころか日本に税金さえ収めたくないから

本社を外国に移すと宣言した会社がありましたが、

この違いはなんなんでしょうかね。

 

 

 

伴待部屋【重要文化財】

 

人力車夫のための控え場所&休憩所で

主屋の玄関の隣に建てられています。

 

佇まいから建物内を観れなさそうな雰囲気がありましたが、

管理責任者の案内により当たり前のように私達は建物内へ。

 

この建物内と主屋には隠し扉があり、

その奥にはテロリストが強襲してきた時のための

脱出用の下へと続く階段があります。

 

明治維新から大きく社会構造が変わるなかで、

旧武士の人達の中には、廃刀令、帯刀令に背いて

日本刀を隠し持っていた人も多かったようで、

まだまだ物騒な世の中だったようです。

 

 

 

主屋【重要文化財】

 

主屋には、日本海海戦の海軍司令部長の東郷平八郎元帥他、

政府家の直筆扁額を拝見することが出来ます。

そして、

主屋にも隠し扉&脱出用通路が施行されていて

先ほどの伴待部屋の地下脱出用通路と繋がっています。

 

 

 

温山荘園 主屋 室内

 

右側の扁額「琴乃浦 温山荘」は、

温山荘の名付け親でもある東郷平八郎の直筆で、かなりの達筆です。

 

管理責任者曰く、東郷平八郎元帥は頼まれれば

二つ返事で書いていたので、

東郷平八郎元帥の書は、全国で沢山あるはずとのことです。

 

温山荘園の主屋のように立派ではないにしても、

私の子供の頃は殆どの家が日本家屋だったので

障子、ガラス戸、雨戸がある家屋を見ると

懐かしさが込み上げてきます。

 

 

 

 

窓の外、左側の小高い所にある黒くて四角い小さな建物は、

この庭園の設計事務所として使用されていたもので、

今まで台風で3、4回ほど屋根が吹き飛んだそうです。

(直近は昨年の台風で)

 

 

 

 

主屋のこの場所から観る庭園が一番美しいと言われています。

ガラス戸ありの庭園の景観。

 

 

 

 

ガラス戸無しの庭園の景観。「美しいやないか~い!」

多くの松が植えられた広い庭園に落ちている松葉が見当たらないほど

手入れが行き届いています。

 

管理責任者曰く、風が強く吹いた後、特に台風の後、

軽トラック10台分以上の松葉が散り落ちるようで、

その掃除が一番大変のようです。

 

 

 

北冠木門(きたかぶきもん)

 

主屋を出て、潮入式池泉回遊庭園の回遊です。

この北冠木門を潜れば、東池エリアです。

 

 

 

東池

 

 

 

主屋

 

庭園側から観る主屋。

主屋は一応、瓦葺木造平屋建とされていますが、

斜面に建っているため、鉄筋コンクリート造の半地下室があって

ダンスホール、ビリヤード場、台所等があるそうです。

 

 

 

 

庭園の多数ある燈籠の中には、

江戸時代のキリスタン禁制時に

隠れマリア様を燈籠に彫り込み祈りを捧げたという

マリア燈籠、十二支とハートマークが彫られた燈籠等があるそうで、

 

春日大社の春日大明神と彫られている

特別な石灯籠を探すよりも簡単なので

温山荘園を訪れた際には、探してみてはどうでしょうか。

 

 

 

 

主屋の東側にある二つの池を東池と言います。

ちょっとややこしくなるのですが、

こちらの池は、東池の北側の池。

 

 

 

 

こちらの池は、東池の南側の池。ね、ややこしいでしょう。

 

 

 

 

こちらも東池の南側の池。東池の対岸に茶室が見えます。

 

 

 

 

天候が少し怪しくなってきているのが気になるところ。

 

 

 

茶室「鏡花庵」【重要文化財】

 

東池の真ん中に茶室「鏡花庵」へ続く園路が延びていて、

ここを渡らなくとも茶室へと行くことが出来ます。

でも、んなのを見ると普通は、渡りたくなりますよね。

 

で、渡って茶室へ到着です。

 

 

 

茶室「鏡花庵」

 

大正9年の築。

瓦葺の屋根の上に茅葺の屋根が乗っかっています。

 

 

 

 

 

 

石塔

 

多くの場所で見られる十三重の石塔の十三の数字は、

仏教では仏舎利を表す良い数字とされていますが、

西洋では13の数字は忌み数とする国もあり、

ところ変われば何とやらですね。

人の悩みも、ものの見方や捉え方一つで違ってくるのと同じですね。

 

 

 

西池

 

 

 

浜座敷【重要文化財】

 

大正2年築。海を眺望するのに最も適した場所として

温山荘園で最初に建築されました。

現在は、浜座敷眼前の海は埋め立てられて

運河がその名残を残しています。

 

 

 

 

 

 

長寿橋

 

この西池に浮かぶ島に渡されている二つの石橋があり、

主屋に近い方が紀州青石、写真の石橋が四国の青石です。

 

どちらも名石として名高い石で、

この庭園に使われている二つの巨大な一枚岩、

特に紀州青石の石橋は大きく、長さ約9m、幅約2.2mで

現在の価値は、億の値が付く代物だとか。

 

 

 

西池 渡り石

 

海水と淡水が入り混ざる池で、

この渡り石は満潮時には水没する面白い構造になっています。

 

 

 

西冠木門(にしかぶきもん)

 

 

 

主屋(西側)

 

主屋の西側に回ると二層建てであることが良く分かります。

 

 

 

ダンスホール(元)

 

主屋一階には、元ダンスホールとして

使用されていた空間があります。

現在は、床板は外されて空間だけが名残を残しています。

 

第二次世界大戦において

和歌山中心部への十数回に及ぶアメリカ軍の空襲から

避難してきた多くの人を温山荘園は受け入れて

戦災に見舞われた人たちの

避難所となっていたようです。

 

 

 

 

琴の浦 温山荘園、

今回の訪問で全てに足を踏み入れていないのですが、

私のお気に入りに登録決定しました。

 

手入れが行き届いた庭園の美しさはもちろんですが、

海から池に入り込んだ魚が時折飛び跳ねる音も

鹿威しとは違った風味があり、

主屋でゆっくりと寛げる感じがまた素晴らしかった。

 

この先、庭園の人気が爆発すれば、

私達が訪問した際に味わえた感じを

同じように味わえるかどうか分かりませんが

 

今までの和歌山の名所巡りの中で、

心地良さ、居心地の良さを加味して、

温山荘園が私のランキング1位にランクインです。

 

 

 

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