ー 歩き疲れ、くたびれて、
そろそろ宿をとる頃になってきた。
ふと気が付くと藤の花が見事に咲いている。ー
文豪、島崎藤村は、詩「初恋」のモデルとなった教え子に
失恋して関西旅行に出かけました。
その際に芭蕉の句「草臥て宿かる此れや藤の花」
の心境を思い「藤村」のペンネームを付けたとのことです。
藤の花は、春の終わりに咲く花で
枝から垂れ下がる花房は幻想的で美しく、
CNNの「2014年 世界の夢の旅行先10か所」に選ばれた
あしかがフラワーパークの藤の花は有名ですね。
………世界10か所って凄すぎませんか。
福岡県の国指定天然記念物「黒木の大藤」も有名ですね。
芭蕉は、藤の花よりも桜の句の方が多かったように思うので
もう少し失恋が早かったら傷心旅行も桜の季節となり、
名前が島崎桜村となっていたかも知れませんね。
恋した女性を想い起すような名前を付けちゃったら
作品を書く度に失恋した女性を思い出すような気が………。
そんな島崎藤村を、
一人の女性を長く長く想うロマンチックな人物と思うのか、
はたまた未練たらたらのキモい男性と思うのか、
名前の秘密を奥さんにバレなかったのだろうかと
余計なことをあれこれと思ったりする私でした。