日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

高級感?実用?黒色日用品のヒット

2007-08-02 21:19:55 | アラカルト
しばらく前、「黒いトイレットペーパー」が話題になった。
その後、様々な日用品の「黒色化」が進んでいる。
今日の産経新聞にも、日用品に「黒」広がる 常識覆すヒット続々 という、記事が掲載されている。

といっても、「黒いトイレットペーパー」と「黒いまな板」は、ヒット理由が違う。
「黒いトイレットペーパー」は高級感という点でヒットし、「黒いまな板」は白内障を患っている高齢者からの要望で、販売ルートが拡大している。
「黒いまな板」のヒットというのは、それなりの理由として分かる。
だが、「黒いトイレットペーパー」というのは・・・。
ヒット理由が「高級感」と言われても、個人的には「???」という感じなのだ。
確かに、これまでに「黒色」のトイレタリー商品というのはなかったが、だからといって「高級感がある」とは、思えないのだ。

だいぶ前、いわゆる「白物家電」と呼ばれる冷蔵庫などのカラー化が進んだ時期があった。
システムキッチンの流し台などとコーディネートする、というのがその理由の一つだった。
確かに今でも、水周りメーカーのショールームに行くとシステムキッチンなどとカラーコーディネートした、白物家電がある。
バスルームなども、以前よりもはるかにカラフルになった。
その意味で、トイレタリー商品などもカラーコーディネートとして、「黒色トイレットペーパー」がヒットしていると考えば当然だろ。
だからといって「黒色=高級感」とは、ならないような気がする。

白物家電の場合、一時期の「カラーブーム」が去り、システムキッチン向け商品以外は、白やシルバー、パステルトーンが中心となっている。
この「日用品の黒色ブーム」も、いずれ生活者が取捨選択していく中で、変わり落ち着いていくような気がする。

ブームに乗るのも売上Upの方法だが、ブームの背景を見定めることも大切だ。
個人的には、「黒いトイレットペーパーは、あまり使いたくない」というのが本音で、やはり「清潔感」を重視したいと思うのだ。
まぁ、我が家のトイレが「黒いトイレットペーパーが似合わない」というコトもあるのだが・・・。