日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

和菓子屋さんで野菜を売ると言うコト

2009-02-08 22:41:43 | アラカルト
来週、母の命日がある関係で実家に帰る予定をしている。
既に三回忌は終わっているので、「帰らなくていいぞ」と独居老人状態の実家の父は言ったのだが、母の命日は年に1回しかないし、余り実家に帰ることがない私としては、「このときくらいは・・・」というコトで、帰る予定にしたのだ。
当然帰省するとなると、それなりの「お土産」が必要となる。
それで、イロイロなお菓子屋さんのサイトを探していると、面白い和菓子屋さんのサイトを見つけた。
それが、名古屋の八事にある和菓子店「菓宗庵」のサイトだ。

HPのトップに「八事五寸にんじん」という文字に惹かれクリックをすると、なんと和菓子屋さんが「愛知伝統野菜・八事五寸にんじん」を販売しているのだ。
値段を見ると、近所で売っている普通のにんじんよりもだいぶ割高だが、生産量が少ないと言うこと、愛知伝統野菜であると言う付加価値を考えると、仕方ないのかも知れない。

それにしても、驚いたのは「野菜を和菓子屋さんが通販で売っている」と言うコトだ。
もちろん、HP内で「何故、和菓子屋さんが野菜を売るのか?」という疑問に対して、回答をしている。
地域活性化と地元伝統野菜の振興と言う目的なのだ。
将来的には「伝統野菜を使ったお菓子作り」を考えているようだが、今はまだ無理なので販売をすると言うことをしているようなのだ。

先日、似たようなコトを書いた記事があった。
最近ヒットチャートにランキングされないCDが、ひっそりと売れている(ヒットしている)と言うのだ。
売っているのは「ヴィレッジバンガード」と言う雑貨屋さんだ。
そこでCDを、販売しているのだ。
実際ラインナップを見てみると、インディーズ系ではないが大手レコード店では扱いそうもない感じのする、個性的な名前が並んでいる。
このような「個性的なアーティスト」達は、レコード店ではなくこのような雑貨店の方が売りやすいのだろう。
他にもヴィレッジバンガードのHPを見ると、「フライヤー」と呼ばれる「ライブ」のチラシなども置いてあるようだ。
最初からマスを相手にしない、「自分の感性と合う人だけで十分」というアーティストのタマゴ達にとっては、レコード店ではなくこのような雑貨店のほうが、良いのだろう。

このような動きは既に起こり始めていて、メディアを含め私達(大人)が気が付いていないのかも知れない。
考えてみれば、今は「野菜は八百屋」と言う時代ではないのかもしれない。
ネットと言う販売ツールを持っているのなら、地域活性と伝統野菜の振興のためにお菓子屋さんが販売をしても良いのだ。
私達がいつまでも「固定概念」に縛られているだけだとしたら、今の経済危機もまた違う打開策を見逃しているのかも知れない。
そんな事を思ってしまった、「和菓子屋さんの伝統野菜販売」だ。