雑誌「広告批評」の元編集長で、コラムニストであった天野祐吉さんが、亡くなられた。
この訃報に驚いたのは、言うまでも無い。
先週水曜日には、朝日新聞の「CM天気図」という連載コラムを掲載していらっしゃったからだ。
子どもの頃から、テレビCMや広告というものは好きだったのだが、広告代理店などへ就職する気はさらさらなく、広告は「遊ぶ話題のネタ」だと思っていた。
もっとも私が就職活動をしていた頃は、女性が広告代理店に就職するためには、就職試験よりも、コネ!!!と言う時代だったので、強力なコネをもたない私などにとっては、検討の余地などあるはずも無かった。
それが、ひょんなことからマーケティングという分野の仕事をする様になり、広告の端っこをかじる様になった。
その時、勉強として参考としたのが「広告批評」だった。
広告を批評する雑誌を読むことで、「広告とは何か?何を生活者に伝えるのか?」ということだけではなく、広告にユーモアのエッセンスが必要だと言うコトも教えてもらった。
もちろん、「言葉やヴィジュアルの表現」と言う部分でも、随分勉強をさせて頂いた。
その「広告批評」が廃刊となったのは、時代の流れだったと思うのだがその出版を手がけていらっしゃった天野祐吉さんが亡くなられたと知り、これから「広告」という時代を映す媒体を通して、社会や政治、企業や私達生活者に、様々な問いかけをしてくれる方がいなくなってしまったような気がする。
お亡くなりになってから知った、天野さんのブログには今の政治や社会に対する、問いかけと言う内容になっている。
天野祐吉のあんころじ:とにかく死ぬのはヤだもんね
そして、今与党が推し進めている「特定秘密保護法」などについても、キレの良い言葉とユーモアで批評されたのでは?と、思っている。
的を射る視点とユーモアのセンスが合致した時、時代を動かし、時代を超える広告となる・・・そう教えてくれた天野さん。
広告のこと、いろいろ勉強させて頂き、ありがとうございました。
まだまだ勉強不足で、これからもっと教えて頂きたかった・・・。
ご冥福をお祈りいたします。