スーパー等に行くと、消費税を前にPB商品の品数が増えていることを実感する。
PB商品に関しては、おそらく消費税の増税分を「価格を変えない」ことで、実質的な値下げを図ることを考えている大手スーパーもあるようだ。
そのPB商品にも、変化が出はじめている。
それは「プチ贅沢化」だ。
例えば食パンなどは、大手製パン会社のものが140円前後だとすると、PB商品は100円前後からある。
PB商品だからと言って、品質に問題がある訳ではない。
大手製パン会社と契約をして作っていたり、地方の中堅スーパーなどの場合は地元の比較的大きなパン屋さんに製造を依頼して、作っているケースが多いからだ。
そんなPB商品だが、昨年あたりから「若干お高め」価格設定の商品が登場し始めた。
価格的には、大手製パン会社の商品と変わらないかそれよりもやや高め。
パッケージを見ると、これが「こだわりの製法」だったりする。
特に目を引くのは、風味などを劣化させない添加物などを入れていないなど、「健康・自然派志向」になっている。
この様な流れは、取り扱う品数が多く、店舗規模もそれなりの大きさがあるスーパーだけかと思っていたら、どうやらコンビニでもこの様な動きが出はじめているようだ。
仕事の帰りコンビニに立ち寄ったら、大手飲料メーカーの冷蔵商品棚の中に見慣れない商品があった。
ガラス扉には、コンビニ店の「一押し商品」のディスプレイ。
値段も、隣に置いてある大手飲料メーカーの商品よりも10円ほど高い。
よくよく見ると、コンビニのPB商品だった。
ネーミングも「贅沢○○」となっている。
改めて、コンビニ店内を歩いてみると、食品関連ではこの様な「贅沢○○」という商品が、いくつも置いてある。
考え方を変えれば、大手、準大手のスーパーは1店舗あたりの売り場面積は大きいが、コンビニは全国各地にある。
総コンビニ店舗数=売り場面積と考えれば、売り場面積は大手スーパーよりも広い。
だからこそ、コンビニオリジナルのPB商品の開発は、当たり前となるのだろう。
もちろん提供するメーカー側にとっても、その「売り場面積」と商品回転率は、魅力的だろう。
それだけではなく、商品を引き上げるにしても全体では大きいが、生活者一人ひとりに与えるイメージは、強くないはずだ。
日本の景気が上向いてきたのか?それとも「節約疲れ」なのか?はたまた「日々の生活に関わるモノだけは、品質重視」という生活感の現れか?百貨店の高級品の売上げが伸びている、と言うニュースとは別に、注目しておきたい「生活者の変化」だと思う。