日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

自分達で新しいコミュニティーを創る

2014-03-27 20:47:01 | アラカルト

毎朝聞いているFM番組で、東日本大震災の復興を伝えるコーナーがある。
今週は、石巻の「蛤浜」という海岸沿いにあった小さな集落の復興を目指す方を、取り上げている。

元々「蛤浜」には、10世帯にも満たない小さな集落があった。
石巻の海岸沿いには、その様な小さな集落がいくつも点在していたのだが、東日本大震災で壊滅的な状況になってしまった。
「蛤浜」も震災前の1/3程度に減ってしまい、集落としては既に機能できる状況ではない。
そんな集落の復興を目指している方が立ち上げたのが「はまぐり堂」というCafe

Cafe「はまぐり堂」

オーナーである亀山さんは、元々は学校の先生。
その先生を辞め、地域の復興のためにCafeを開いた・・・と言うと、ありきたりのような感じがする「復興の話」という感じなのだが、Cafeを開くまでの過程を知ると、被災地といよりも今の日本の地域が抱えている問題解決の糸口のようなものを見つけることができるような気がしている。

亀山さんが、最初に復興計画を立て、その計画企画書を持って行った先は行政。
その時は、具体的にCafeを開くと言う内容ではなく、もっと壮大なプランだったようだ。
まさに、行政が主体的になって行う様なプラン。
しかし、行政側からは何の興味も示されず、自分達で興すにしても費用が必要なので、金融機関に話しを持ちかけるのだが、相手にもされずに終わってしまう。
金融機関側からすれば、個人が中心となって興す復興プランなど投資として怖くてできなかったのだろう。
八方ふさがりの状態の時、お金も行政へのコネも無い人達が集まり、様々な知恵と力を出しあい、かつての蛤浜には無かった新しいコミュニティを創り出す過程の中でこの「Cafeはまぐり堂」ができる。

もちろん「Cafeはまぐり堂」で出すメニューは、地域の復興ができる海や山からの恵をふんだんに使ったもの。
小さなCafeから始まったこのコミュニティは、どんどん活動の幅を拡げ、震災で同じ様に壊滅状態になってしまった集落へと波及している。

注目すべき点は、行政のサポートや金融機関の投資がなくても、新たなコミュニティを創るコトで新しい経済的活動を興すコトができる、と言うことだ。
それは、中山間地域など過疎に悩む地域でも、使える方法ではないだろうか?
もちろん、この様なコミュニティの中心になっているのは20代~30代の若い世代だ。
行政がUターンやIターンを積極的に進めても、なかなか上手くいかないのはコミュニティがつくれないからなのでは。
UターンやIターンが無理でも、この「Cafeはまぐり堂」の様に「人を集めるコミュニティ=非定住型コミュニティ」もあっても良いのでは?

「地域に住み、その地域で働くことで地域コミュニティが成り立つ」と言う旧来の考えではなく、新しい形態のコミュニティを自分達で創る・・・そういう時代が来ているのかも知れない。
その先取りとして、被災地に様々なコミュニティが生まれようとしている、と考えれば、被災地から学ぶことが沢山ある様な気がする。